そもそもゆら帝は、「引き算の哲学」が顕著になり始めた05年『Sweet Spot』近辺からセルフ・リミックスを12インチでのみリリースしてきた(「引き算の哲学」の進化は、アルバムやシングルで得たものを好奇心とアイデアを加えて、リミックス盤でアウトプットしてきたことも大きいと思う)。ストイックに削ぎ落とした結果生まれた確固たる隙間。その隙間を解体し、テクノ、エレクトロニック、サイケデリック、ミニマルなど幅広い曲調で、新たな隙間を再構築していく快感と喜び、弛まない音楽への愛情がリミックス盤には溢れている。一聴するとノイジーだけどその奥にふと浮かび上がる心地好いエアポケットのような快感は、初期の轟音ギターのサイケデリックな恍惚感にも通じている。そう、ゆら帝は1mmもブレていないのだ。これがCDでも楽しめるなんて最高。(岡崎咲子)
隙間への愛
ゆらゆら帝国『REMIX 2005-2008』
2008年07月02日発売
2008年07月02日発売
そもそもゆら帝は、「引き算の哲学」が顕著になり始めた05年『Sweet Spot』近辺からセルフ・リミックスを12インチでのみリリースしてきた(「引き算の哲学」の進化は、アルバムやシングルで得たものを好奇心とアイデアを加えて、リミックス盤でアウトプットしてきたことも大きいと思う)。ストイックに削ぎ落とした結果生まれた確固たる隙間。その隙間を解体し、テクノ、エレクトロニック、サイケデリック、ミニマルなど幅広い曲調で、新たな隙間を再構築していく快感と喜び、弛まない音楽への愛情がリミックス盤には溢れている。一聴するとノイジーだけどその奥にふと浮かび上がる心地好いエアポケットのような快感は、初期の轟音ギターのサイケデリックな恍惚感にも通じている。そう、ゆら帝は1mmもブレていないのだ。これがCDでも楽しめるなんて最高。(岡崎咲子)