22 ドリームス最初に自戒の意味も込めて書いておきたいのだけど、この世に「モッズ・サウンド」なんていうジャンルはそもそも存在しない。いや、原理主義的に言えば存在してはいけないのである。モッズとは文字通り「MODERN」であり続ける精神であり、埃被った60年代ビート・ロックの7インチ掘って喜んでいる懐古主義とは最も程遠い価値観なのである。もちろん音楽オタクであることは重要なんだけど、しかしモッドたる自身の行動はいつだってモダンで、クールで、新しくあるべきなのである。今年ついに50歳を迎えたこのモッズ・ゴッドの新作を聴いて、改めてそう心に刻んだ者である。
「レコードだったら2枚組」をコンセプトに作られた70分にも及ぶ大作である。ノエル・ギャラガーからグレアム・コクソンまで錚々たる舎弟が馳せ参じ、オーセンティックなブリット・ロックの対極を行く御大の刺激的なサウンド・アドベンチャーに付き従っている。フリーキーなジャズ&エレクトロニカの導入に加え、スタカン時代がフラッシュバックするような軽やかなグルーヴが、過去数年のウェラーを縛っていた重鎮ポジションから彼を解放している。(粉川しの)