このライブ盤は凄い! 2011年でデビュー20周年を迎えるパール・ジャム。最新作の吹っ切れ方にも明らかだった2010年のツアーは、バンドの歴史に残るような凄まじいものだった。だから、ライブ盤が凄まじくて当然だが、今作はその核がしっかり伝わるように作られていてさすがだ。何しろ、とりあえず聴こうと思ってラップトップの質の悪いスピーカーで聴いたって、その素晴らしさが十分伝わってきたのだから。このミックスは意図的なものだろう。その起源は恐らくエディ・ヴェダーが子供の頃にライブで録音したカセット・テープの音なんじゃないかと思う。どんなに音質が悪くても絶対にへこたれないスピリットがここに鳴っているからだ。バンドは最初からキリキリといきり立ち全速力で駆け抜ける。本作には、2010年の欧州ツアーで初めて演奏されたジョー・ストラマー“アームズ・アロフト”と、PIL“パブリック・イメージ”のカバーが収録されている。“アームズ~”でライブが幕開けしたこともなかったし、アメリカでは演奏されずツアーの定番だったわけでもない。その2曲は、本ツアーのスピリットを体現している。(中村明美)