ロンドン出身の23歳で、すでに本国では大ブレイク中のSSW、ジェシー・J。ソングライターとしての実績とキャリアがあって(スーパーアイドル、マイリー・サイラスの全米1位曲とか)、長身で独特のファッションセンスを売りにして、本人はバイセクシュアルを公言――と、とかくレディー・ガガと比べられがちな人なのだが、きちんとアルバムを聴くと印象が変わる。ラッパーのB.o.Bをフィーチャーして「大事なのはお金じゃない」と歌う〝プライス・タグ〟も、ギャングスタぶって「男みたいにやってやる」と凄んでみせる〝ドゥ・イット・ライク・ア・デュード〟も、過激さで周囲の価値観を逆撫でするのではなく、シンプルに「ナチュラルな私でありたい」と願う、とても真っ当なガールズ・ポップ。だからこそ、彼女の並々ならぬ歌唱力と声の良さが目立つのであって、今回国内盤のボートラで入っているアコースティック・バージョンの2曲を聴くと、特にそれが説得力を持って響くはず。個人的には、もうちょっとエキセントリックに暴れてみてほしいのだが、いずれにせよ、長いキャリアで活躍できる才能だと思います。(松村耕太朗)