アンエクスペクテッド『アンエクスペクテッド(予想外)』とはよくいったものだ。初期メンバーじゃないこともあり、他のデスチャに比べて地味な印象しかなかったミッシェル(ルックスも……ごめん!)。これまでのソロ作品も、新たなる表現と音を追求したビヨンセやケリーとは違いゴスペルという保守的なものだったし、デスチャ解散後、ほとんどその動向をフォローしてなかっただけに、アッシャーの新作にも通じるヨーロッパ的キンキラなクラブサウンドで装飾された今作のアゲアゲぶりにはマジでぶったまげた。前からその線の細い、癖のあるウィスパー・ボイスは嫌いじゃなかったけど、泥臭いR&Bより、シンセが共鳴するこういう(いい意味で)軽薄なメロディのほうが、よっぽど性に合っているよう。特にフロー・ライダーが客演するリード・シングルの“ウィ・ブレイク・ザ・ドーン”は、なんちゃってティンバランドのイントロは気になるけど、既に米ダンス・チャートで1位を記録した、間違いなく今年のベスト・チューンに食い込むだろう逸品だ。
気になるのは、負けず嫌いのビヨンセの反応だ。年末に予定されているソロ3作目、楽しみ。(内田亮)