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イントロの忙しないビートは、《苛立ちを解放しようもなく/ひたすら焦ってる》主人公の鼓動。そこに加わるひんやりとした小林武史のピアノや、悠々と響く山本拓夫のサックスからは、主人公と周囲との差異が聴こえて孤独が押し寄せる。ほかにも、四家卯大(Cello)、Udai Shika Stringsの参加によって、外部の音楽家が表現する時代や他人といった周囲と、ミスチルが表現する主人公の対比が浮き彫りになっている。あくまでイメージだけれど、そんな世界観に深く共感した。日曜劇場『リブート』主題歌という華やかなタイアップの一方で、楽曲そのものはヒリヒリするほどリアル。《毎日を/塗り潰すだけ/がむしゃらに塗り潰すだけ》の生活の中で、《「いつになく笑っていれたよな」/そんな日が訪れるように祈って祈って》生きる。桜井和寿の「Again」という力強いリフレインは、もう一度、もう一度と、ささやかな希望を願う市井の人々の叫びそのものだ。ミスチルは2026年も「ここ」にいる──剥き出しの表現はそう教えてくれる。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年4月号より)
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