インタヴューでルーク自身も話しているように、新生クークスのフレッシュな幕開けを告げる3年ぶりの3作目である。2000年代半ば、UKロックの新章を鮮やかに彩ったファースト『インサイド・イン/インサイド・アウト』。あのファーストで組んだトニー・ホッファーを再びプロデューサーに迎え、ポップ・ソングの新スタンダードを軽やかに打ち立て、グローバルな勝負に出る野心作だ。アメリカではすでにルークのセレブ人気が上昇したり、『ゴシップガール』で曲が使われたりしてきたが、ギタポが完全なる市民権を得た今、このアルバムでUKバンドの新たなUSブレイク・パターンを記録するのではないか。もともとルークは自分のなかでポップ・スター像をきちんと描いてきたフロントマンだけど、アイコン・バンドとしてより愛される存在になると思う。
クリスプなビートとネオアコ風味が新鮮な“ハッピー”をはじめ、流麗なストリングスに彩られた“タイム・アバヴ・ジ・アース”、ヒップホップ的な“ランナウェイ”など、バランスの取れた職人技が随所に光る。前作『コンク』を経て、また、おそらくLAならではの環境とトニーとのタッグによって、ルークのソングライティング力が格段に磨かれ、スノッブになりすぎない古きよきポップス感も醸しだされている。アンダーエイジ・ブームに沸いたアルバム・デビュー当時のUK勢と比べれば異端の、しかしだからこそ今聴いても瑞々しいファースト、レイ・デイヴィスへのオマージュ的セカンド『コンク』を経てクークスは、UKギター・ロックを更新し続け、輝き続ける。(羽鳥麻美)