00年代以降も正統派ハード・ロックを現代に受け継ぐ若手バンドは数多く生まれているが、その中でジ・アンサーは自らの実力を証明しながら着実に成長してきた。3作目となる新作では、北アイルランド出身の彼らが数々の大御所のサポートを務めながら世界中を回ってきた経験と、そこから改めて抱いた「草の根からロックンロールを再び甦らせる」という使命感が結実したサウンドが高らかに鳴っている。特に18ヵ月に及ぶAC/DCのワールド・ツアーのオープニングを勤め上げた、まさに修行と言える経験がバンドに与えたものは大きかったはずだ。一回りも二回りも大きくなった骨太なサウンドにはバンド自身の「再生」も感じられる。レコーディングはテキサスで行ったそうで、味わい深さを増した高音ヴォーカルと、躍動する一音一音の間を乾いた熱い風が吹き抜けるような、余計なものが一切ない風通しの良さが爽快。古きよき、をただ繰り返しているだけではリヴァイヴァルにならない。それを体得した彼らが出した答えがこのアルバムだ。AC/DCとのツアーを収めたライヴDVD+CD『ロックン・ロール412!』も同時発売。(網田有紀子)