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2曲目“TAIDADA”で《失って気づくの寒いじゃんか》と歌うACAねの声が聴こえてきたときに激しく頷いてしまった。強い。今年の蘇我のROCK IN JAPANのステージで、ACAねが「私、闘いに来たよ」と言った、あの光景がフラッシュバックする。ACAねは、ずとまよは、本当に強い。ACAねにとって「闘う」ということは、きっと、誰かを打ち負かすようなことじゃない。「おーい、私はここにいるよ!」と、両手をぶんぶん振りながら、びょんびょんとジャンプして、どこか遠くにいる神様めいた存在に気づいてもらおうとするようなことなのだ、きっと。存在証明をし続けること。新作は6曲入りミニアルバム。アニメ『ダンダダン』EDテーマの“TAIDADA”、映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』主題歌“嘘じゃない”、同作の挿入歌“Blues in the Closet”といったタイアップ曲も含んだ1作である。「黄泉の世界から響く渋谷系ポップ」とでも形容したくなるような1曲目“虚仮にしてくれ”が特別、素晴らしい。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より)
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