本当のことは歌の中にある

斉藤和義『45 STONES』
2011年10月19日発売
ALBUM
斉藤和義 45 STONES
例の替え歌でスイッチ入ったんだろうなあ。先行配信曲“ウサギとカメ”から、素晴らしいプロテスト・ソングが並ぶ。ボブ・ディランやニール・ヤング、オーティス・レディングや忌野清志郎らに倣いつつ、今ここに生きている人間ならではのリアリティで書かれた曲だ。政治やメディアやツイッターを槍玉に挙げ、《ウソばっかの大本営》《無能な首脳》などと歯に衣着せぬ言葉が飛び出す。けれども何度も耳を傾けるのは、その毒を飲み込んで余りある曲の魅力があるからこそ。
 
自身による多重録音が基本だが、前作でもコラボした中村達也との2曲は緊張感あるセッションがダイレクトな言葉を弾ませる。一方エマーソン北村、森信行らが参加した“負け犬の詩”、ピアノでの“雨宿り”は切々と歌い、“ギター”は軽やかなウクレレで自由を歌う。小泉今日子に提供した“虹が消えるまで”さえ意味が変わる。今の彼は曲を作ればこうなるのだろう。そのスピード感がUSTREAMに向かったのは当然で、初回盤はその音源など12曲つき。これは間違いなくスタンダードになる。「歌うたい」の会心作だ。(今井智子)
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