世界で1000万枚を超えるセールスを上げた前作『ダーク・ホース』から3年、ニッケルバックの7作目の新作が到着。500万枚でも「終わり」と思われるという破格のビッグ・バンドになった彼らにとって、売れるものを作って当たり前との期待はプレッシャーになるだろうが、今回の新作にも迷いは一切なく、自分達の正しさを知り尽くした自信に満ちている。ヘヴィなリフとビート、そして耳に残るヴォーカルとメロディを備えた骨太なロックは、音楽シーンの変化に拘わらず常に求められること、それを熟知した彼らが勝ち続ける理由を見せつけるアルバムだ。
アグレッシヴな1曲目から気合い充分で、「共に立ち上がらなければ」と歌うリード・シングル“ホエン・ウィ・スタンド・トゥギャザー”など強いメッセージ性もある今作だが、ミッドテンポのラヴ・ソングを含む後半は高揚感をもたらすポップな曲が多く、希望を抱かせる明るさでアルバムが締めくくられる。この聴き手を包み込むような雄大なサウンドには、カナダの小さな町で生まれ、今はヴァンクーヴァーを拠点とする彼らの大陸的な気質と、懐の深い逞しさがにじみ出ている。(網田有紀子)