andropの音楽は常に「光」をテーマに生み出されてきた。楽曲には光=希望というイメージが過ぎるのだが、その希望への意志は、3・11がトリガーとなり途轍もないスケールのサウンドに変貌をとげ続けている。その最新形にして究極の形が、この『one and zero』だ。《僕は終わりを/選んでいるみたいだ/でも/あなたを/照らす光に/ただ光に/光になりたい》。アルバム最後の“End roll”で、こう歌う内澤崇仁(Vo・G)の声はどこまでも透き通っている。生と死が表裏一体であること。絶望の先にしか希望は生まれないこと。ギターロック、アンビエント、パンク、ファンク――様々なジャンルの音楽を取り込み緻密でダイナミックな音像として吐き出しながら、彼らのロックは、今の日本が目を背けることのできない真理を伝えるリアルとして響いてくる。そして、そんな途方もないテーマを伝え切るバンドの筋力の高さも驚異的だ。メロディの美しさと演奏の巧みさ。匿名性の高いヴィジュアルもあって今までわかりづらかったandropの実力が視覚化された一枚だと思う。今年を代表する大傑作。(塩澤淳)