これが世界標準

LAMA『Modanica』
2012年12月12日発売
ALBUM
LAMA Modanica
素晴らしい。前作も良かったが、それをはるかに凌駕する最高の出来である。前作からわずか1年余りでここまで急激な進化を見せたのは、4人のコラボレーションが予想以上のペースで進化しているということだろう。これは誰、と特定できないほど緊密に入り組んだシーケンスとアレンジ、さらにディープなサイケデリアを現出する緻密かつ繊細なサウンド・プロダクション、練り上げられた音色、太く、温かく、かつヌケが良い抜群の音響が、いっそう底なしの快楽度を演出する。特に音の良さは特筆ものだ。
 
前作は2分台の曲も含め3分台のコンパクトにまとまったポップ曲が多かったが、今作は1曲を除きすべて4分以上の長尺の曲。展開が少なく、一定のビートとリフレインを延々とループしていくような曲や、ドローン的なアンビエント・ノイズがたゆたうように深く潜っていく曲など、ポップ・ミュージックの定型を外れる曲が多いが、そのぶんルーティンとは無縁な新鮮さがある。楽曲の粒も揃っているし、エレクトロとロックの融合型としては極めて完成度が高い。これは世界に通用する音だと思う。(小野島大)
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