タイトルに掲げた『SPACE』が作品全体のキーワード。気持ちの中に作る「スペース=空白」から生まれる無限の可能性や新鮮な息吹について、多彩な角度から描いている1枚だ。KREVAの人生観や哲学がじっくり描かれている「コンセプトアルバム」とでも言うべき内容だが、お固いトーンはまったくない。随所に粋なウィットを利かせているのが印象的だ。“俺はDo It Like This”“SPACE”“Link”など刺激的な曲が数々並んでいるが、そんな中“言ってなカッタカナ?”のような人を喰ったタイトルのものも、とんでもない衝撃を届けてくれる。カタカナを使った言葉遊びが全開だが、KREVAの人物像が自ずと浮かび上がる曲にもなっているのが面白い。「俺って超すごいやつ!」というアピールが核なのに、スウィートなラブソングとして仕上がっている“王者の休日”もそうだったが、最近の彼のソングライティングは絶好調だ。センスの良い切り口、素材の調理法、的確な言葉選びによってスリリングなエンターテインメントを生み出す芸術=ラップ、ヒップホップの醍醐味を、今作は存分に体感させてくれる。(田中大)