幸せが伝染しそうな新サウンド

グー・グー・ドールズ『マグネティック』
2013年06月12日発売
ALBUM
グー・グー・ドールズ マグネティック
80年代の後半から大衆的かつ実直なアメリカン・ロックを鳴らし続けてきた3人組による、約3年ぶりのアルバム。オーソドックスなメロディに日々の感情を乗せて歌う彼らの曲は、ソングライターでもあるジョン・レズニックのヴォーカルに宿る愁いと陰りが、ある種トレードマークになっていた。だが10枚目となる今作は、そのキャリアにおいて最も明朗で、それゆえグー・グー・ドールズとしては画期的と言っていいほどの新鮮なサウンドになっている。この7月に2度目の結婚を控えているジョンの心理状態が多分に反映されているのだろうが、4人のプロデューサーを含めて外部のライター達と共作したことも、サウンドの幅を広げる上で効果的だったようだ。ストリングスのみならず、初めてエレクトロの要素も取り入れて、過去最高にポップな作品に仕上がった。
 
遂に雲を突き抜けたかのようにも感じられる今作だが、彼らの最大の魅力は昔と変わらず、ハートを鷲掴みにするような直球のラヴ・ソングにある。〝ホエン・ザ・ワールド・ブレイクス・ユア・ハート〞や〝カム・トゥ・ミー〞は、新たなクラシックになりそうな名曲だ。 (鈴木美穂)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする