メタル界は厳しい

メガデス『スーパー・コライダー』
2013年06月12日発売
ALBUM
メガデス スーパー・コライダー
デイヴ・ムステイン自身が設立したレーベルからの第1弾リリースとなるメガデス最新作は、本国のプレスやリスナーから辛い評価をくらっているようだ。確かに、先行公開されたタイトル・ナンバーを筆頭に、聴き易くまとめられた印象の曲が多く、ここしばらくは「初期の彼ららしさが戻った」という歓迎ムードがあっただけに、今回の変化は快く受け止められなかったらしい。

コアなファンに怒られそうだが、だらだらした長い感じのタイトルがついた初期メガデスのアルバムに、個人的にはさほど思い入れはなく、マーティ・フリードマンが加入してからの、もう少し音が整理された時期の作風の方が好きだ。一時的な解散を経て復活して以降の近作についても、単に原点回帰というのではなく、初期の音楽性を新たな場所からうまく再利用してみせたという解釈で好感を持っていた。カントリーやブルースなどの要素、デヴィッド・ドレイマンのゲスト・ヴォーカル、シン・リジィのカヴァーといった様々な試みを盛り込んだ新譜も、これまでの延長に位置づけていいものだと思うし、ムステインは充分に実力を発揮していると考えたい。(鈴木喜之)
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