正しい伸び盛り

グループラヴ『スプレッディング・ルーマーズ』
2013年09月18日発売
ALBUM
グループラヴ スプレッディング・ルーマーズ
昨年、ゴティエの〝?失恋サムバディ?に次いで「オルタナ・ロック」のカテゴリではラジオ・オンエアが最も多い楽曲となった〝タン・タイド?と『ネヴァー・トラスト・ア・ハッピー・ソング』でのブレイクを経て早くもセカンドが到着。LA発のサニー・ポップはパッション・ピットやフォスター・ザ・ピープルらともよく比較されてきたが、このバンドが身上とするのはそうしたバンドの持ち味でもある逆ギレのエレポップというよりむしろ、土臭さの残るアメリカン・ロック的なアプローチと愛おしいまでの暑苦しさ(=エモさ)。小難しいことにとらわれず楽しめばいい、と宣言するような直感性がキモなのだ。そうした資質を活かした本作は、ファーストからののびのびとした成長を刻んだ作品になった。小手先のギミックを増やすのではなく、大所帯バンドの特性を踏まえてバンドそのものの筋力をアップすることでここに到達したのだと思う。批評家からの支持はさほど高くないが、リスナーのリアルな理想像といえる。MGMTのライヴで感じるプログレ・サイケ感に通じるサウンドもあったりして、聴くほどに発見があるのも面白い。(羽鳥麻美)
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