ジャケットは天井桟敷の人々風

レディー・ガガ『アプローズ』
2013年09月11日発売
SINGLE
レディー・ガガ アプローズ
ガガの曲は基本的に情緒的ではなく、音楽としては非常にシンプルで「メッセージ性がある」というより、メッセージそのものである。ベース音の効いたリズム・パターンが70年代のディスコ・ミュージックを彷彿させるシングル〝アプローズ?もガガ的な手法で書かれたダンス・チューンで「称賛を得るために私は生きている/称賛こそが私の生きがい」というフレーズが繰り返される。他人からの愛と賛美を栄養に生きる巨大グモのイメージ。実際これはスポットライトを浴びることを渇望し、女王の地位を得たガガの本心であり、闘争心の強い牡羊座の女である彼女の渇望のすべてなのだろう。

そこに、唐突にクーンズ(エロティックなオブジェで有名な現代アーティスト)の名前が出てくる。「私はクーンズの作品で、かと思えばクーンズが私自身なの」。11月にリリース予定のアルバム『アートポップ』の内容を予感させるフレーズだが、ガガの追究はさらに「アートのカリスマ性」へと向かっているように感じられる。扇動、煽情といったニュアンスが強く、性急にアクションを起こしたくなる即効性の強い曲。アルバムが待ち遠しい!(小田島久恵)
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