「未来が見える」とエディは歌う

パール・ジャム『ライトニング・ボルト』
2013年10月23日発売
ALBUM
パール・ジャム ライトニング・ボルト
先行シングル〝マインド・ユア・マナーズ?を聴いて、20周年を祝い終えて10枚目の新作を出そうとするバンドとは思えない怒り炸裂のエネルギーにぶっ飛ばされたが、今こんなサウンドを鳴らしてしまえるのがパール・ジャムなのだ。この曲はバンド史上最短となった前作『バックスペイサー』の勢いを思わせるものの、今回の新作では長めの曲が復活して曲調の幅も広がり、深みが増している。これまで聴いたことのないような曲もあって、数回聴いただけじゃよくわからないけど聴き込んだらどうなるかなとかライヴで聴いたら印象変わるかなといった、これから先が楽しみになる感覚もまた嬉しかったりする。『PJ20』を作って一旦過去をきちんと見つめ直したことで、バンドとして再び前を向くことができるようになったからか、かつてないほど未来を感じさせるアルバムだ。今作は作り始めてから一度中断し、しばらく間を置いて制作を再開したそうだが、各メンバーがソロや別バンドでの活動を経て、パール・ジャムでやりたいこと、パール・ジャムでしかできないことが改めてはっきりしたのかもしれない。4年待った甲斐があった。(網田有紀子)
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