マジで名盤来た

AC/DC『悪魔の氷/BLACK ICE』
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AC/DC 悪魔の氷/BLACK ICE - 悪魔の氷/BLACK ICE悪魔の氷/BLACK ICE
ロックンロールの金太郎飴、マンネリズムのゴッドファーザー、十年一日どころか四十年一日。その呼び方はなんでもいいけれど、AC/DCのロックンロールはいっつもおんなじだと言われてきた。それが本当に正しいかどうかは、ここでは置いとく。ただ面白いのは、そんななかにも名盤と駄作があることだ。『バック・イン・ブラック』のように今でも瞬間瞬間に目を見開いてしまう作品もあれば、『フライ・オン・ザ・ウォール』のように生粋のファンでも首を傾げてしまう作品がある。しかし、遂にこのオリンピック以上の周期で新作を待たなければならないバンドが名盤を届けてきた。『バック・イン・ブラック』や『地獄のハイウェイ』と並ぶと言っても信じてもらえないかもしれない。でも、少なくとも『レイザーズ・エッジ』とはタメを張る作品である。

なんでこんな奇跡が起きたのかは分からない。レコード会社の移籍による自由な制作環境だったり、レコーディング方法だったり、プロデューサーだったり、いろんな要因があるのだろう。でも、最終的には「やった」ってことなんだと思う。「やる」か「やらない」かで「やった」。そうでも考えないと、長年これを待ってた人間としてはやってられない。ブライアン・ジョンソンは61歳だが、いまだに“ロックン・ロール・ドリーム”なんて曲を歌う。ほんで、それがカッコいい。シンプルにもかかわらず、どデカいロックンロールを鳴らすということ。まだまだロックには光がある。本気でそう思える。間に合ってよかった。(古川琢也)
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