バンド最大の曲がり角

ボストン『ライフ、ラヴ&ホープ』
2013年12月18日発売
ALBUM
ボストン ライフ、ラヴ&ホープ
ボストンの実に11年ぶりとなる新作だが、前作から復帰を果たしていたオリジナル・ヴォーカルのブラッド・デルプが07年に他界したということを受けて、ブラッドへのトリビュート的な意味合いも相当に含んだ内容となっている。基本的にボストンはあまり内容的な進化というのはないバンドで、むしろ作品ごとの曲のよしあしだけが常に聴きどころになると思うが、ある意味で今作はボストン史上最もヘヴィーな状況の中で制作されたともいえる作品なので、ブラッドの喪失というメランコリーに作品が支配されているのは否めない。しかし、それに対して、新ヴォーカリスト、デイヴィッド・ヴィクターを立てたアルバムのオープナーの"ヘヴン・オン・アース"がボストンの最も典型的なサウンドを踏襲した楽曲になっているところはバンドにとって相当に心強い材料になっている。また、ブラッドの不在によってついにトム・ショルツのみがオリジナル・メンバーとなり、それで"ヘヴン・オン・アース"を形にできたことは、今後の創作をより多作なものに導くかもしれないし、もうちょっと短いスパンでの活動も可能となるかもしれない。 (高見展)
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