これ無くして2013年は語れない

アヴィーチー『トゥルー』
2014年01月22日発売
ALBUM
アヴィーチー トゥルー
既に輸入盤でもがっつりと盛り上がったが、ボートラ5曲を加えていよいよ日本盤がお目見えのアヴィーチー『トゥルー』。アロー・ブラックにこんな風に歌わせてマイク・アインジガー(インキュバス)にこんなギターを弾かせるか、という“ウェイク・ミー・アップ”が全世界を席巻し、大ブレイクを遂げたスウェディッシュ・ハウス・アーティストの正式なデビューアルバムである。ダンス・ミュージックとしては大味で荒削りなところも目立つけれど、アヴィーチーの素晴らしさは何しろ生楽器のサウンドを大々的にフィーチャーしてエレクトロ・ハウスのトレンドをぶった切ってしまったことにある。“レイ・ミー・ダウン”でファンキーなギターを披露しているのは、2013年ダンス・シーンでシンボリックな存在に返り咲いたナイル・ロジャースだが、ダフト・パンクの高級感とは異なるスタイルで、ダンス・ミュージックの大風呂敷を広げながら若いダンサーのエネルギーを掬い上げたアヴィーチーの活躍は見事だ。EDMは温故知新の過程を経て、よりタフに成長しようとしている。キラー盤を締め括る“レヴェルズ”が押さえてあるのも嬉しい。(小池宏和)
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