2gMONKEYZが、ミニアルバム『JUNKHOOD』を完成させた。北海道を拠点に活動し、昨秋はZEPP SAPPOROワンマンにて約1000人を動員、さらに北海道の番組のタイアップソングを作るなど、地元で名を轟かせてきたが、遂に全国へと羽ばたくかもしれない。
楽曲は、北海道というイメージからは連想できない、熱くソウルフルでユーモラスなものが多いところも意表を衝かれる。さらにメガネ姿で踊り歌うYuguchi(Vo・G)を筆頭に、ライヴパフォーマンスもエンターテインメントと言えるほどに楽しめるのだ。そんな彼ららしさがどしゃっと詰まった『JUNKHOOD』は、誰もが楽しめる仕上がりとなった。
メンバー脱退を経た大変な状況下で、敢えて多くのことにトライし、成長を遂げたタイミングでのインタヴュー。表の顔から裏の顔、さらには衝撃の過去(!!)に至るまで、Yuguchiにたっぷりと訊いた。

インタヴュー:高橋美穂 撮影(インタヴューカット):石井彩子

地元の北海道でも、ロックな歌モノの正統派なバンドが多いから。でも「真面目にバカやってるな」っていうバンドはいないので、そこに行けたらいいかなって

──あらゆる方向から見て、気合いの入った一枚になりましたね。

「そうですね。初めてのことだらけだったんです。メンバーとスタッフで考えたのも、『トライ』っていうテーマで。このアルバムが3人で作る初めてのアルバムだったんですけど、信頼できるチームと制作できたっていうところも大きくて、いろんな人の価値観を入れることができたんです。マスタリングもロサンゼルスでやって、歌詞も違う人に書いてもらって」

──ひとつ新しいことに挑戦するだけではなく、一気にいろんなことに挑戦したじゃないですか。それはどうしてだったんですか?

「結成から一緒にやってきたメンバーがひとり欠けて、今できることを考えたっていうのと、去年ZEPP SAPPOROでワンマンをやって、そこからどうお客さんに見せていくか考えた時に、まずは楽曲でこの人たちはカッコいいとか面白いって思われたいので、アルバム制作をガッチリやっていきたいなと、3人で団結して。今年はこのCDを持って全国を飛び回れたらっていう願いもありますし」

──でも、メンバーが欠けて、挑戦も多くて、負荷が掛かったんじゃないかなって心配になりますけど。

「ま、大変な部分もあったんですけど、信頼できるチームに支えてもらいながら、メンバーも各自が役割を持ってできて、楽しかったですよ」

──じゃあ、バンドのムードがいいんですね。

「そうですね。ツアーも始まりますし、全国で自分たちがどう受け入れられるか、ワクワクしている感じがありますね」

──ライヴは北海道が中心なんですか?

「そうですね。拠点は札幌に置いて、地盤を固めていきたいなと。そこで盛り上がっているものを、東京とか全国に持って行きたいと思っています。やっぱ北海道が好きっていうのもあるし、過ごしやすいし、北海道にいるからこそできる曲ってあるのかなって」

──でも、北海道だからできる曲っていうと、涼しげなものや、エモやパンクのイメージなんですけど、2gMONKEYZの場合、ソウルやディスコなど、熱くて粘っこい曲が多いですよね。

「ああー。確かにこういうバンドは、地元にもそんなにいないんです。ロックな歌モノの正統派なバンドが多いから、北海道は。そこで頭ひとつ抜けるには、違うことをやらなきゃいけない。じゃあ、『真面目にバカやってるな』っていうバンドはいないので、そこに行けたらいいかなって。自分もいろんな曲をやりたいんですよね。ただ、昔は何がしたいのかわかんないねってよく言われていたし、軸を持たなきゃとは思っています。そこで自分たちの個性をどれだけ出せるかっていう。ライヴも僕、動き回ったり踊ったりするんですけど、そういうバンドも札幌にはいないので、そこを見てもらいたいですね」

──なるほど、逆を衝いた結果だったんですね。

「同じところを攻めるより、逆にぴょん!って飛んだほうが見てもらえるかなって、自分たちは。特に僕の性格とか見た目では、そのほうがいいと思うんですよね。カッコいいかなより、面白いって思ってもらえたほうが得かなって」

──ぴょん!と飛んだら「行ってみよー!」と弾けて始まる“笑い合う門に福来たる!”という1曲目になったと(笑)。

「思いっきり昭和臭い感じから始まっているんですけど(笑)」

──ドリフ的なインパクトがありますよね。

「そうですそうです。ありがとうございます。今それ!?っていう。北海道のテレビのタイアップ(STV『熱烈!ホットサンド!』)もあって、自分もお笑いやテレビが好きなので、昭和のバラエティや、仲間たちとバカ騒ぎしている感じが出せたらいいなと思って。ライヴでは、ふざけながら踊れるような感じになればいいですね」

──これくらい弾けることに、照れはなかったんですか?

「ライヴになればないですね。この台詞を言ってるのは、その番組のプロデューサーなんです。たまたま東京に来てたんで、スタジオで急に、いくつか声を録らせて下さいって言って、勝手に使ったっていう(笑)。できました、聴いて下さいってCD渡したら、そこに入ってる、みたいな(笑)」

──驚きますよ!(笑)。お笑い愛や、北海道愛、そのプロデューサーさんへの愛も、いろいろ詰まった1曲なんですね。

「いろいろ詰まりすぎてますね。タイアップのために書くのも初めてだったし、それもトライになったし、刺激になったし、勉強になりましたね」

──タイアップのように、何かのために詞や曲を書くことには抵抗ないですか?

「そうですね。今後もやっていきたいですね。タイアップなので、曲作りのやり方も変えたりしたんです。テレビのCMの音を消して、見ながら作ったり。それもできるなっていう発見もあって」

──Yuguchiさんは、いろんな人やモノと関わるのが好きなタイプなんじゃないですか?

「そうです、僕、ひとりじゃ何もできないので。歌詞も作詞チームに書いてもらったりすることで、こういう考えがあるんだっていう楽しみや発見もありました」

──自分の考えしか歌いたくない、っていうヴォーカリストも多いと思いますけど──。

「逆です、僕は。吸収したいし。信頼している人であれば、いろいろ取り込んでいきたいですね」

──Yuguchiさんって、キャラは濃いけど我は強くないというか、そのギャップが興味深いですね。

「我は強いほうがいいかもしれないですけどね(苦笑)。バンドだけで作り上げるのも大事だと思うんですけど、自分たちをちゃんと知ってくれている人、好きで関わってくれている人たちと作ると、客観的な意見をもらえるじゃないですか。ファンの代表というか。そうすれば、ファンにより届きやすい作品になるのかなって。僕としては、そのやり方が好きですね」

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