すでにテレビCMでもオンエアされて驚きと感激を呼んでいる、AA=×JM-0.8名義の新曲“→MIRAI→(ポストミライ)”。ゲストヴォーカル=J.M.(0.8秒と衝撃。)が放つアンドロイドの如き質感のカラフルな歌声と、ハイブリッド&ハードコアの極みの如き上田剛士のサウンドスケープが、「今」と「未来」を貫く歌詞とともにダイレクトかつ鮮やかに響く、意欲的なポップナンバーだ。『#』『4』でのハードエッジサイド/センチメンタルサイド遠心分離ぶりといい、BiS/BABYMETALへの楽曲提供といい、唯一無二のストイシズムと鋭利さに満ちた上田の音楽が格段に活動の幅を広げている今、8月5日に配信限定リリースされた“→MIRAI→(ポストミライ)”を巡る上田剛士へのメールインタヴューと、彼の足跡を辿る考察レヴューの2本立てで、改めてその表現世界の核心に迫ってみることにした。

インタヴュー・文=高橋智樹

「ポスト未来」というこの曲のテーマは「未来の先」、それは僕が体験出来る未来のその先の未来を指しています。「今を作る事は未来を作る事」という当たり前の事を再認識して作った曲です

● 配信限定シングル“→MIRAI→(ポストミライ)”、最高ですね。AA=のヘヴィなサウンドとメッセージ性が、AA=史上最高のポップ感をもってダイレクトに伝わってきます。上田さん自身にとっても新しい手応えのある楽曲になったと思うんですが、いかがでしょうか?

ありがとうございます。
新しい挑戦は常にしていて、それがある意味ライフワーク的にもなっています。
確かにポップな仕上がりになりましたが、これは狙っていた訳ではなく、この曲自身がよりそちらの方へ僕を連れて行った感じがします。
手応え(評価という意味ですよね?)と言った感覚は、もう限りなく曲を作り、今も常に作り続けている僕にはよく分からないので、この曲が行きたい方向へどれだけ近づけるかを目指す、ただそれだけです。

● 今回の“→MIRAI→(ポストミライ)”制作にあたって、楽曲/サウンド面でのコンセプトは?

この曲はCMの話が先にあっての曲なので、”クライアントが満足する曲”がそれです。笑
と言うのは冗談で、実際にはこの曲のタイトル通りの”未来”です。
「ポスト未来」というこの曲のテーマは「未来の先」、それは僕が体験出来る未来のその先の未来を指しています。
その未来の先の創造者は、今を生きる僕らで、そこには明確な連動性があり、関連がある。
「今を作る事は未来を作る事」という当たり前の事を再認識して作った曲です。
モード学園(未来のクリエイター達)が、僕にその事を与えてくれた様な気がしています。

サウンド面でのコンセプトは、特にありません。
僕が生み出す音は常に僕の音なので、その通りに進めるのみです。

● “→MIRAI→(ポストミライ)”はもともと「モード学園」のCM曲として提供されたものでした。楽曲提供にあたって「こういう曲をお願いしたい」といったリクエストはあったんでしょうか?

もちろん、いくつかのリクエストはありました。
例えばBPMに関する事とか。
また最初にイメージの画像、shichigoroさんの描いた素晴らしい絵があったので、それを元にイメージを膨らましていきました。
僕としては、それらの事柄はイメージを作る事の大きなヒントになりました。

● 今回のシングルには、当初「謎の女性アーティスト=JM-0.8」として発表されていたJ.M.さん(0.8秒と衝撃。)がヴォーカルとして参加しています。“→MIRAI→(ポストミライ)”のゲストヴォーカルをJ.M.さんに決めたポイントはどんなところですか?

女性ボーカルとのコラボもリクエストの中の一つでした。
僕の声よりも、その方がお茶の間には良いですからね。笑
J.M.さんに決めた理由は、この曲に合っていたからです。
実際に歌ってもらって、とても良い相性だったので決めさせてもらいました。
彼女の持つ、可憐さと過激さと、柔らかさと強さの混ざった不思議な魅力がこの音に合っていたと思いますし、彼女自身がこの曲をこの方向に導いてくれたと思っています。

● J.M.さんは「以前からAA=の大ファンだった」と「モード学園」のYouTubeサイトでもコメントしていましたが、上田さんはハチゲキについてはどんな印象を持たれていましたか?

彼女が突然オフィシャルサイトに連絡をくれて僕に送ってくれた0.8秒と衝撃。の大量の音源が出会いでした。
僕の様な年齢のアーティストにはありがちな、”若い世代の音には疎い”僕なので、彼女の方からコンタクトを取って来てくれて出会えたのは、とてもラッキーでした。
当然ながら、音に対する感覚やバンドに対する哲学の様な物も大きく違うなと思いましたが、同時にそこには若さや情熱やそれに伴う不完全さや危うさと言った、自分も過去に多く持っていた物も感じて、とても面白く聴かせてもらいました。
そして彼らの様な、一見、僕とは音的な繋がりの無さそうな新しい世代の人達にも自分の音が届いていて、新しい解釈と共に新しい音が生まれている事をうれしく思いました。

● J.M.さんを招いたのは「モード学園」タイアップ前提の単発プロジェクトとしてですか? あるいは、たとえば「次作アルバムに向けて、J.M.さん以外にもゲストヴォーカルをフィーチャーした楽曲制作を進めようと思っていた」とか、そういった今後へ向けてのヴィジョンにのっとったものだったりするのでしょうか?

ふふふ。
とても良い質問です。
良い質問過ぎて答えられないので、今後も期待していて下さいとだけ答えておきます。

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