「熱くて真っ直ぐ」な感覚ピエロ、解放!
最新作『等身大アンバランス』を語る

感覚ピエロ

昨年、“拝啓、いつかの君へ”がテレビドラマ『ゆとりですがなにか』の主題歌となり、その名を幅広い層へ一気に浸透させた感覚ピエロ。3rdミニアルバム『等身大アンバランス』は、彼らをさらに前進させることになりそうだ。すでにミュージックビデオが公開されている“等身大アンバランス”や“加速エモーション”を筆頭に、強力な楽曲が連発される今作は、どのようにして生まれたのか? そして、このバンドの根本にある精神性とは? 横山直弘(Vo・G)、秋月琢登(G)、滝口大樹(B)、西尾健太(Dr)に語ってもらった。

インタビュー=田中大

スタイリッシュで、誰かの背中を後押しできるようなものにしたいと思っていた

――“加速エモーション”は、去年の8月にミュージックビデオを公開していましたよね?

秋月 はい。僕らはCDをリリースすることを見越して曲を作ってる感じでもないので、そういうのはよくあるんです。今って曲をYouTubeとかで発表することもできるし、配信することもできますから。“加速エモーション”も、まさにそうだったんです。

横山 実は今回、最初の段階では“加速エモーション”を軸にしようと思ってたんですよ。でも、制作する中で“等身大アンバランス”のトラックが仕上がったのを聴いて、「これは誰かの背中を押せるものになっているな」と思い、急遽、リード曲にすることにしました。1枚の全体像に関しては“O・P・P・A・I”みたいにふざけた曲を連発するんじゃなくて、スタイリッシュで、誰かの背中を後押しできるようなものにしたいと思ってました。

――2016年は、“拝啓、いつかの君へ”がドラマの主題歌になったりもありましたが、何か変化は感じています?

西尾 これがまた、特に変化がないんですよ(笑)。昔のツレとかから連絡が来たりするくらいで。まあ、テレビから自分たちの曲が流れた時は汗をかきましたが。

滝口 ずっと通常運転ですね。「応援してくれてるよ、この居酒屋で」って、親に連れて行かれたことはありましたけど。ポスターが貼られてて、「あれ? このポスター、おかんにあげたはずやけど……」って(笑)。

秋月 でも、感覚ピエロっていう名前は、前よりも知って頂けるようになったのかなというのは感じます。

――みなさんの名前が浸透した最初のきっかけは、“O・P・P・A・I”とか、面白い方向性の曲でしたけど、そういう作風から離れようとしたことはあります?

横山 それはないですね。二面性が常に同居するようなバンドでありたいですから。“拝啓、いつかの君へ”もそうだし、今回の“等身大アンバランス”や“加速エモーション”みたいなものも僕らの一面であることは間違いないんです。その一方で“O・P・P・A・I”みたいにふざけてる僕らも、紛れもなく感覚ピエロなんですよ。その両面は偏ることなく、いいバランスでやっていきたいです。

――スケベ路線も着々と続いていますもんね。今回のCDには入らないですけど、去年の10月に配信でリリースした“ワンナイト・ラヴゲーム”のミュージックビデオ、男の夢がそのまま実現しているお色気路線で、非情に羨ましかったです。

横山 でしょ? 超楽しい撮影でした。

いろんな人が何に対しても前向きになれるものにしたい

――“等身大アンバランス”も今年の1月にミュージックビデオが公開されましたが、楽曲制作はどのような感じで始まったんですか?

秋月 学生応援ソングを作るというお話を頂いたところから制作が始まったんですけど、学生に限らず、いろんな人が何に対しても前向きになれるものにしたいというコンセプトが明確にありましたね。

――限界を決めないで進んで行く姿勢を描いていますけど、バンドマンとして音楽シーンで戦っているみなさん自身とも重なる曲だと思いました。

横山 僕らはもともと大阪のライブハウスでやってたわけですけど、自分たちの原点を忘れずにステップアップしていきたいんです。そういう気持ちがこもってる曲ですね。それが秋月が書いた歌詞を借りるなら《等身大を超えて》なんだと思います。

秋月 「等身大」と「アンバランス」って真逆の言葉じゃないですか。だから「等身大アンバランス」っていう表現はハマってるのかよく分からなかったんですけど、3~4年前からなんとなく僕の頭の中に残ってたんですよね。実は今のメンバーが揃う前くらいの時期に、ライブハウスで「等身大アンバランス」っていうイベントを開いたことがあって、歌詞を書いてる時にそれがふと頭に浮かんだんです。

――この曲、サウンドも強力ですね。ベースにしびれました。

滝口 頑張ってます(笑)。

横山 そういえば、エンジニアさんとの話の中で「感覚ピエロは、ベースがしっかりと前に出てこなきゃいけないバンドだから」っていうのがありました。僕らはもともと、音をいろいろ重ねるタイプのバンドではないわけです。そうなると隙間に対してベースが前に出てくることが多くなって、「ベースがどれだけかっこいいのか?」っていうのが大きな意味を持ってくる……ということなんだと思います。

滝口 ありがとうございます!

横山 ベースにも注目して聴いて頂けるアルバムになってますので、みなさん、ぜひ粗を探してください。

滝口 おい!(笑)。

――(笑)。バンドとしてのサウンドの切れ味の良さを示せている1枚だと思います。

横山 どの曲も自信がある音になってますよ。ミュージックビデオで“加速エモーション”を聴いてた人も、今回のCDで改めて聴いたらびっくりすると思います。サビに入った瞬間のインパクトや広がりが大きいですから。

秋月 感覚ピエロは、結構、生ものサウンドのバンドですからね。同期で流すのも好きですし、ゆくゆくはそういう曲もあってもいいなあと思うんですけど、まずは生ものとしてスタイリッシュにしたいというのがあるんです。

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