「熱くて真っ直ぐ」な感覚ピエロ、解放!
最新作『等身大アンバランス』を語る(2)
「反骨精神しかない」と言ってもいいと思う
――生々しい質感という点で言うと、“TELL ME WHY”がかっこいいですね。
横山 今回、全体的に「シュッ!」とした曲が多い中、“TELL ME WHY”は「ゴッ!」とした曲だと思います。そういうコントラストがあることで、各曲が際立った感じにもなったかもしれないですね。そもそもこのバンドの4人は、キャラクター的にもハッキリしてるので、曲にも特色が出るのかも。例えば「これはメッセージ性がある曲だな」というものに関しては秋月が書いて、「これはメッセージ性を感じねえな」ってものは僕が書くというのも、キャラクターの違いによるんでしょうし。僕は“O・P・P・A・I”とか“ワンナイト・ラヴゲーム”みたいな曲の方が得意です。
秋月 この4人、結成当時の方がもっとまとまってた気がするんですけど、日に日になんかそれぞれの感じになってるんですよね。な?
滝口 うん。気を遣わなくなったっていうのもあるんだろうし。
秋月 そもそも全員が自由人ですし。だから「好きなことやればいいんじゃないですか?かっこよければいいんじゃない?」っていうのがあるんですよ。
――メッセージ性が強い作風に関しては、今作の中だと“等身大アンバランス”“加速エモーション”“チェシャ”ですけど、どれも秋月さんの作詞ですね。
秋月 この3曲は、僕の中に1個ある変わらないテーマが出ているんだと思います。僕、「現状がダメでも最終的には前を向いて生きていきませんか?」っていう考えが常にあるので。
――「負けないぞ」という反骨精神も感じるんですけど、ご自身ではどう思います?
秋月 おっしゃる通り、「反骨精神しかない」と言ってもいいと思います。
――事務所に所属しないで、全部DIYでやっているのもそういうことですよね?
秋月 はい。「何かを変えたい」じゃないですけど、「それ無理やで」って言われるくらいが丁度いいというか。「できひんよね、あれは」っていうことに挑戦したくなるんです。天邪鬼な感じではあるんですけど。
――自分たちのレーベル、マネージメント事務所の「JIJI」は、そういうみなさんの精神性の象徴的存在?
秋月 そうですね。とはいえ、僕らはインディーズとかメジャーの垣根をあまり考えてないんですけど。逆に「インディーズであることに誇りも持ってる」っていうのもないですし。
――「どこに所属するか」ということよりも「自分たちできちんと判断しながらバンドを動かしていきたい」ということでしょうか?
秋月 はい。それが第一に考えてることです。「主導権」じゃないですけど、「感覚ピエロは自分たちで作った船なので、自分たちで舵を取らんと意味ないよね?」ってことなんです。大事なのは「どういうスタンスで自分たちが音楽と向き合えるのか?」っていう、やりやすい環境。「業界人が嫌い」とかいうのも全くないです。むしろ、「もっと話しましょうよ」っていう感じですから。大切なのは「面白い形で仕事しませんか?」ってことなんですよね。
――「JIJI」って「Just Imagine. Just Idea.」の略ですけど、想像力とアイディアを自由に膨らませながら進むというのが、このバンドの基本姿勢ですよね?
秋月 それがそもそもの根本です。僕らは思いつきでやることが多いですから。そのやり方で、いろんな表現ができたらいいなというのを思ってます。
――横山さんのエッチな作風も、自由な想像力の賜物?
横山 そう言われると、なんかやばいですね(笑)。まあ、ホテルに泊まると有料チャンネルがあるじゃないですか。あれを必ずチェックして、「この女優さん知らないな」とかやってますから。「Just Imagine. Just Idea.」です。
秋月 そんなとこで、その言葉使わんといてくれよ(笑)。
――(笑)。滝口さんも常日頃からいろいろ吸収したり、考えを広げたりしています?
滝口 僕の場合は、機材に関しては常にインプットを増やそうとしてます。セッティングをいろいろ試したりもしますし。僕はサウンド面を任されているので、そこに対しては責任を持ってやってます。
西尾 ひとりだけ真面目か(笑)。
横山 でも、ウチのメンバーは、みんなエロいですよ。僕だけオブラートに包んでないだけです。ね?
西尾 なんで俺に話振る?(笑)。
――西尾さんに関しては、ミュージックビデオでの恒例となりつつある半裸で、その面を表現しているのかもしれないですけど。
西尾 そうですか?
秋月 あれは西尾の日頃の頑張りの発表会です。
西尾 僕、ドラムの練習よりも運動してる時間が長かったりしますからね。
秋月 言ってること、アスリートや。
滝口 話がドラマーじゃない……。
西尾 俺、『ドラムマガジン』よりも『ターザン』に出たいかも(笑)。
秋月 まあ、こんな感じで、みんな自由人なんです。「これ楽しいよね? 面白いと思う」っていうのをフィルターを通さずにやってます。僕ら純粋にアホやし、もともと真面目でもあるのがそのまま出てるバンドなんだと思います。
横山 やっぱり感覚ピエロは、みんなキャラクターが違うというのが良さなんでしょうね。似た者同士でやる良さもあると思いますけど、僕らみたいなバラバラ同士のコミュニティは、いつでも退屈しないでやれるんです。バンドって一緒にいる時間が多いから「顔も見たくない」っていう瞬間もあるわけですけど。
秋月 うわっ、「顔も見たくない」って横山の本音や……。
横山 この話のポイントは、そこじゃないの!(笑)。違う人間同士だからこそ、刺激をいっぱいもらえるってことが言いたいんだから。いろんなことに気づける場が、感覚ピエロです。だからお互いの自己主張を絶やさずに、これからも走り続けたいと思ってます。
秋月 一昔前だったらこういう活動はできなかったでしょうし、それはタイミングと運でもあるのかなと思います。「型にハマらずに好きなことをやりまくってるバンドが、ちょっとずつ有名になっていってもいいんじゃないですかね?」っていうのも思いますし。唯一無二でかっこよく、先駆者であれたらいいなと思ってます。
西尾 だからドラムが脱ぐっていうのもありなんですよ。
滝口 でも、ドラムで脱ぐ人、結構おるやろ?
秋月 こんな身体はおらへんやろ?
滝口 まあねえ(笑)。
これまでよりも「踏み込んでるな」と思ってもらえる1年になる
――そんな西尾さんが放つ熱いビートは、感覚ピエロのサウンドの武器でもありますよね。今回の“CCC”はディスコというか、ファンキーなノリがありますけど、こういうテイストも大きい魅力です。
横山 ちょっとブラックっぽい感じが好きなんです。僕らのルーツはギターロックのように聴こえつつも、実はそこだけじゃない感じなんですよ。でも、“等身大アンバランス”みたいなストレートなのもやるっていうのが、感覚ピエロなのかなと。だから「ギターロック」とか「最近のロック」っていうことじゃなくて、「音楽」っていうものとして聴いてもらえたら嬉しいかなということも思ってます。
――どんなテイストのサウンドも、自分たちなりのものにできる自信も深まっているんでしょうね。
横山 それはすごく感じます。どんな曲を作っても、秋月のギターが入った瞬間に感覚ピエロになるんでしょうし、たっきーさん(滝口)のベースが入った瞬間に暴れだすんです。
西尾 なんで俺に関してはなにも言わん? 認められてないんや!
横山 いや、「この人はアスリートやから」と。
西尾 ああ、なるほど。
秋月 それでええんかい?
滝口 今後、担当パートは「ドラマー」じゃなくて「アスリート」ということで(笑)。
横山 まあとにかく、例えば演歌をやったとしても、ちゃんと感覚ピエロになると思います。洋楽と邦楽の違いって、根本は使うスケール(音階)の違いだけですから。
秋月 俺は、演歌は感覚ピエロにならんと思うが(笑)。
横山 そうか(笑)。
秋月 でも、いろいろやってみるのは面白いですよね。演歌だって、僕らのルーツに沁み込んでるところがあるでしょうから。横山は、その感じ強いよな?
横山 うん。おばあちゃん子なので。僕、北海道出身ですけど、各地に「〇×町のサブちゃん」がいたんですよ。おじいちゃんとかおばあちゃんがスナックとかに集まると、各地のサブちゃんが歌うわけです。僕はそういうのも聴いて育ちました。
秋月 まあ、演歌に関してはわからないですけど、新しいことにチャレンジする姿勢は、これからも大事にしたいですね。
横山 今年はいろいろいっぱいやりますよ。感覚ピエロは4年目を迎えたんですけど、これまでのどの年よりも新しいことにチャレンジすると思います。「踏み込んでるな」と思ってもらえる1年になるので、2017年も感覚ピエロをよろしくお願いします。
ミュージックビデオ
リリース情報
![『等身大アンバランス』](/contents/feat/kankakupiero_201702/img/disc01.jpg)
『等身大アンバランス』
2017年2月22日(水)
JIJI-0009 / ¥1,800+税
収録曲:
1.等身大アンバランス
2.加速エモーション
3.CCC
4.TELL ME WHY
5.チェシャ
ライブ情報
「TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL presents『METROCK ZERO』 supported by EX THEATER TV」
日程:2017年2月26日(日)
会場:六本木 EXシアター
開場 / 開演:16:00 / 17:00
チケット:1Fスタンディング¥4,500(税込) / 2F指定席¥4,500(税込) / 当日券各¥5,000(税込)※ドリンク代¥500(別途必要)
出演:四星球 / SUPER BEAVER / 忘れらんねぇよ / 感覚ピエロ
「NEO ROCK FES」
日程:2017年2月28日(火)
会場:日本武道館
開場 / 開演:15:00 / 16:00
チケット:プラチナアリーナ¥5,500(税込) / アリーナ¥4,500(税込) / プラチナバルコニー¥4,000(税込) / バルコニー¥3,000(税込)
出演:androp / OKAMOTO’S / SILENT SIREN / 感覚ピエロ / DJピエール中野
「FULL POWER FEST’17」
日程:2017年3月5日(日)
会場:広島 CLUB QUATTRO
開場 / 開演:16:00 / 17:00
チケット:前売¥2,500※ドリンク代¥500(別途必要)
出演:RED in BLUE / ALL OFF / FABLED NUMBER / 感覚ピエロ
「TENJIN ONTAQ 2017」
日程:2017年3月12 日(日)
会場:福岡市天神地区ライブハウス全8会場
開場 / 開演:13:30 / 11:30
一日券:¥3,800(税込・ドリンク代別途必要)
通し券:¥7,000(税込・ドリンク代別途必要)
http://ontaq.jp
「FACE IT!!」
日程:2017年3月13日(月)
会場:鹿児島 SR HALL
開場 / 開演:18:00 / 18:30
チケット:前売り¥2,500 / 当日¥3,000(税込・ドリンク代別途必要)
出演:Rhythmic Toy World / MAGIC OF LiFE / 感覚ピエロ
「FACE IT!!」
日程:2017年3月15日(水)
会場:大分 clubSPOT
開場 / 開演:18:00 / 18:30
チケット:前売り¥2,500 / 当日¥3,000(税込・ドリンク代別途必要)
出演:PAN / ドラマチックアラスカ / セプテンバーミー / 感覚ピエロ
「FACE IT!!」
日程:2017年3月16日(木)
会場:大分 clubSPOT
開場 / 開演:18:00 / 18:30
チケット:前売り¥2,500 / 当日¥3,000(税込・ドリンク代別途必要)
出演:SIX LOUNGE / ドラマチックアラスカ / ココロオークション / 感覚ピエロ
「SANUKI ROCK COLOSSEUM 2017」
日程:2017年3月19日(日)
会場:高松 7stages
開場 / 開演:11:00 / 11:30
チケット:¥3,800(税込・ドリンク代別途必要)
「TOKYO FM『ジャパネクレディオライブ powered by EMTG MUSIC』Vol.4」
日程:2017年3月30日(木)
会場:渋谷 WWW
開場 / 開演:18:00 / 19:00
チケット:¥3,000(税込・ドリンク代別途必要)
出演:LILI LIMIT / Bentham / 感覚ピエロ
「JAPAN JAM 2017」
日程:2017年5月5日(金・祝)
会場:千葉市蘇我スポーツ公園
開場 / 開演:10:00 / 11:30
http://japanjam.jp
「TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2017」
日程:2017年5月20日(土)
会場:新木場・若洲公園
開場 / 開演:9:30 / 11:30
http://metrock.jp
感覚ピエロ ワンマンツアー 2017「69ロックレボリューション あなたと私で『69』したいの。」
2017年6月3日(日) 福岡 Live House CB
2017年6月4日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2017年6月11日(日) 札幌 Sound lab mole
2017年6月23日(金) 東京 Zepp DiverCity
2017年6月24日(土) 名古屋 Zepp Nagoya
2017年6月30日(金) 大阪 Zepp Osaka Bayside
提供:LD&K
企画・制作:RO69編集部