WANIMA、ニューシングル『Gotta Go!!』に込めた新たな意志を明かす!(2)

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やっぱり僕らはお客さんと歌で繋がってるので。音楽をやってる以上、この歌をお守りにって気持ちで(KENTA)

――そして、第一弾としてEP『Gotta Go!!』がリリースされますと。まず1曲目が“CHARM”。これすごいかっこいい。

KENTA「かっこいいですか? 山崎さんに言われると嬉しい! 僕たちも東京に出てきて10年経って、いろいろ思うこともあって。時期的にも上京する人、進学する人、旅立つ人、またそれを見送る人……いっぱいおると思うんですけど、そういう人たちに毎日そばにいて『頑張れよ!』とか、『今日も行ってらっしゃい!』って言うことはできないんで、この歌をお守りにっていうテーマを持って作りました。“CHARM”はお守りって意味があって」

――ずっと持ってるってことだ。身に着けてるっていうか、そういう願いを込めてるんだね。

KENTA「やっぱり僕らはお客さんと歌で繋がってるので。音楽をやってる以上、この歌をお守りにって気持ちを入れて」

KO-SHIN「やっぱりいろんな人が聴きやすいようにっていうのもありますし。曲の王道スタイルっていうか、一番ストレートに耳に入ってくような1曲になってると思います」

KENTA「毎回そうなんですけど、CD出すたんびに、そのCDが一番WANIMAが伝えたいことじゃないとダメだなと思ってて。それで、自分の気持ちよりは、『こうなってほしい』っていうのが書けたような気がします」

――そういう感じだよね。贈り物というかプレゼントというか。意外とありそうでなかったんじゃないかって気がします。今まではKENTAだ!って感じだったのが、これは聴く人のための言葉というか。これもレーベル契約への気持ちの表れかな。

KENTA「んー、なんかそういうの出ちゃうんですよね……」

FUJI「あははははは」

――ほんとのこと言ったほうがいいよ(笑)。関係ないでしょ?

KENTA「(笑)。いや、でも、そうですね。まあ、いろいろ思ったことはあります。離れると思う連中もいるだろうな、っていうのもいろいろあったので。さっきも言いましたけど、上京10年で、熊本に帰って思うことだったり、今回そういうのが歌になってますね」

――言葉ひとつひとつはこれまでわりとKENTAが使ってきた言葉がいっぱい出てくるんだけど、《いつまでもどこまでも》とか《変わらないぬくもり》とか、そういう言葉が満載になってるんだけど。聴くほうとしては、あんまりひとつひとつに物語を描くというよりは、その言葉をとにかく受け取って、これを力にしようって気持ちで聴けるというか。

KENTA「そうっすね。《いつまでもどこまでも》って、イメージするものはあったんですけど、メロディの時に感じた温度を言葉にしたらそれになったって感じですかね。それがみんなの曲になって、お守りとして持った時に、俺が持ってる気持ちと相手が持ってる気持ちが違ってもいいかなって思ってます、今回は」

いくらこうあるべきって俺が言っても、現実はそうはいかない。そういうことも、きれいな言葉だけじゃなくて包み隠さず歌いたかった(KENTA)

――そして2曲目が“ララバイ”。これはパーティソングに聴こえつつ、歌詞は相当ダークというか。

KENTA「今回、今までどおり行くとエロかっこいいなんですけど、でも今回エロをなくしてみようっていうのがあったんですよ。かっこいいってなんやろ?って考えた時期も重なり、バンドのかっこいい、3人で鳴らせるかっこいいサウンドってなんやろ?ってところで。5月に出すっていうので、フェスをイメージしたとこもありましたし。エロっていうよりはかっこいいに寄せてますね」

――サウンドも含めてそっち系の曲でしょ、って一旦見せかけてるよね。でも違うぜっていう。

KENTA「はい、そうですね」

――なぜそんなことをしたんだろう?

KENTA「なんですかね? なんかWANIMAの中で、エロが武器だみたいな、飛び道具ぐらいな感じやったんで。かっこいい感じがないなと思って」

――たしかに。今までみたいに、ああ、こういうことを歌ってる歌ねって、パッとつかめる感じではない奥深さがある。それをかっこよさって言葉でさっき言ってたんですね。

FUJI「それこそ“CHARM”も、自分は上京12年目なんですけど、上京してから戦ってきた気持ちをこの曲にぶつけてやろうって気持ちで演奏してて」

――ああ、でも今の話を聞いて、さっきKENTAくんが言ってたのがわかった。たしかにこれ、かっこいいっていうのをすごいぶつけてますね、KENTAくんね。

KENTA「あ、ほんまですか?」

――うん。そして3曲目の“これだけは”。これは主にアレンジとかでびっくりしたんですけど、勢い系の曲だと思いきや、ものすごいアレンジのアイデアを、4つぐらい大胆に積み重ねていて。

KENTA「これは今までのWANIMAにない感じってなんやろ?っていうか、今までどおり行きたくなかったとこがあったので、もっと違う背中を押せるもんはないかなってことでできたとこがあります。今、構成の話ですけど、構成でさえもそういうふうなのを考えたんですよね。今までどおりだったら、きっとバーッて勢いで終わってたんですけど」

――今までだったらストレートにスッといくタイプの曲なのにね。

FUJI「すごいアレンジにこだわりましたね。Aメロの中だけでも途中でメロディが変わってまた戻ってくるとか、今回は結構KENTAのひらめきが詰め込まれたなって。そこにKO-SHINくんがギターでこういう音を載せてみたら、とか。だからWANIMAのアイディアがふんだんに詰め込まれてるような曲ですね」

KO-SHIN「これ、3曲をひとつにまとめたっていうか、そういう感じがしますね。Aメロでガーッときて、でもサビでちょっとジャンプ系になって、最後、こっからまたガーッとくるかと思いきや、ガッと下げてみたいな。だからいろんな場面があっておもしろいと思います」

――そうだね。音楽的には俺もKO-SHINくんと同じイメージで、今回、数曲のチャンネルが1曲で展開されていくみたいな楽しさがあって。歌詞に関しては、“これだけは”っていうタイトルで、たとえば《勝手に決めた限界を叩き壊し進む今日》《戦い続けるイマを塗り替えて》――で、今までだったらスパーンといってたんだけど、最後に《冷たい水掻き分け/震える足で辿り着くまで》、っていう、このすごい光景があるじゃない。これはどういうところから出てきたの?

KENTA「んー、やっぱそれが現実じゃないですか。いくらこうあるべきって俺が言っても、《戦い続け塗り替えて》って言っても、それは希望で、現実はそうはいかない。でもやからこそ、共に生きようってことになるんで。そういうのも、きれいな言葉だけじゃなくて包み隠さず歌いたかったっていうのは、今までと変わらないとこですね」

――なるほどね。それにしても、曲の最後にテンポまで下げてこれを持ってくるって、ちょっと今までになかったアプローチだよね。前半に現実的なことを言って最後に希望の部分を投げるっていうほうがきっと気持ちいいし、キャッチもしやすいけど。これは難しいことに挑戦してるね。

KENTA「そうですね」

――またこの歌詞がすごいんだよな。ここまで畳み掛けるかっていう。やっぱり自分の中で、バンドも大きくなってるし、お客さんの数も聴く人の数も増えて、曲もどんどん成長してきてるし、そういうふうに大きくなっているからには、そこに載せるメッセージもちゃんといろんな人の思いを支え切るぐらいのしっかりした強さ、タフさがないとダメなんだっていう感覚ってありますか?

KENTA「そういう感覚はありますね。昨日もミーティングしてたんですけど、やっぱり今までは共に生きようっていうので来たんですけど、これからちょっとでも、半歩でも俺らが前に出て引っ張ってやらないと、ついて来れない連中もいっぱいおると思うんですよ。まずはそのスタートの位置までぐらいはWANIMAの音楽で引っ張って連れて行ってあげたいなと。スタートラインやったり、扉の前までは。そういう責任感みたいなのは、いろんなお客さんと話したり、お客さんの目線やったり、表情を見てて感じるようになってきたっすね」

――より多くの人に届けたいっていうからには、それだけの強い歌にしなきゃいけないし。

KENTA「そうですね。まずは俺らがしっかりしないといけないから」

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