HYDE、バラードシングル『ZIPANG』が生まれるまで、そしてYOSHIKIとのコラボを語る

HYDE、バラードシングル『ZIPANG』が生まれるまで、そしてYOSHIKIとのコラボを語る - photo by 田中和子photo by 田中和子

「普段HYDEってうるさいんでしょ」って思ってる人たちにアピールするにはいいんじゃないかなと


――今回のシングルがバラード2曲という作品になって、一連のソロシングルの流れの中では新しい一面になると思うんですけど、こうしてバラードで作品を作ってみていかがですか?

「どうなんですかねえ? バラード好きな人にはいいんじゃないですか。しっとり聴ける感じで」

――あえて今まで出さずにいたっていう感じもあるんですか?

「基本、シングルは毎回違う感じでっていうのは思っているので、こういう流れかなあ、みたいに考えてたというか。今回は、特に『普段HYDEってうるさいんでしょ』って思ってる人たちにアピールするにはいいんじゃないかなと思ってます(笑)」

――ロックのヘビーなライブの中でバラードの時間があるのは、ひとつHYDEさんの武器だと思います。さっき仰ってたように、セットリストの緩急って重要にされてますよね。

「そうですね。次に爆発する時にいい助走になるというか。そういう流れは常に意識してますね。フェスの短いライブでもそうです。まあ、もうオープニングアクトみたいになってくると『いかにこいつらを……』みたいな戦いだから、どこまでやれるかは別の問題ですけど。でもやっぱりワンマンとかでは海外でも絶対に入りますね、そういうシーンが」

――COUNTDOWN JAPAN 18/19のステージでも、“ORDINARY WORLD”でのじっくり聴かせる時間がすごく良かったんですけど、フェスのステージでの見せ方ってどう考えてますか?

「特にああいうフェスみたいなライブだと、ガーッて歌う人が結構多いじゃないですか。だから逆に、丁寧にじっくり歌うっていうのをやってみると、それはそれで響くんじゃないかなと思ってね。まあやってみて、どうだったかなあって感じですけど(笑)」

――いやいや、素晴らしかったです! 初見のお客さんにもしっかり響いてたと思います。

「そもそも“ORDINARY WORLD”は、本来アメリカのフェスとかで、みんなが知ってる曲のカバーっていい入り口になるじゃないですか。そういう意味でも必要な曲だったんですよね」

――ちなみにアメリカのライブで、バラードを演奏した時のリアクションってどういう感じなんですか?

「いや、もうキスしたりとかしてますよ、いかにもーな(笑)」


ライブの重要な項目として、まずは歌ですね


――ははは。「黒ミサ」という企画でアコースティックライブをやってみたり、「feat. HYDE」としての現場があったり、L’Arc~en~Cielのボーカリストとしてのライブがあったり、ご自身で発信するソロワーク以外の活動もいろいろありましたけど、ご自身の歌とか、歌うことに対しての意識の変化みたいなものって近年ありましたか?

「そうですねえ。やっぱり僕自身が、今まで適当に歌ってきてたんですよ。だから最近になって、自分を研究するようになりました。どうやったら歌いやすくなるんだろうとか、なんでしんどいんだろう?とかね。そういうのを研究して、あと、ちゃんとしたクオリティをライブで届けるにはどうしたらいいんだろうとか考えるようになったんで。そういうのが変化というか、自分の中でも大きかったかなと思いますね」

――それは何かきっかけがあったんですか?

「やっぱり、海外でライブするようになったことは大きいとは思います。そういうところで日本人が負けないためには、どうしたらいいんだろう?とか考えて、そうなってきたかな」

――歌そのものをもっと強くしていきたいと。

「僕は、もともとパフォーマンス重視のところがあったから。今はそこは違うかなと思ってますね。ライブの重要な項目として、まずは歌ですね。次にパフォーマンス」

――向き合い方を変えてみて、ライブでの手応えも変わってきました?

「うん、そうですね。ちゃんと歌うってことをメインにして……もちろんパフォーマンスも重要なんですけど、そのほうが差別化ができるかなって。さっきも言ったけど、フェスはガーッて歌う人が多いから、そういう意味でも、ちゃんと歌ったほうが届きやすい気はしますね」

――じゃあ「feat. HYDE」として歌を歌いに行ったことはいい刺激になったんじゃないですか?

「そうですね。YOSHIKIさんにせっかくお声がけいただいて、僕がうまくできなかったらねえ、先輩に対して失礼だから。やっぱり気合い入りましたよね」

――逆に今までは、そんなに自分の歌に対して特別なものは感じてなかったということでしょうか。

「あんまり気にしてなかったというか……バカなんで、よくわかってなかっただけなんですけどね(笑)。やっぱり海外で外国人と並ぶと、結構ひしひしと、自分のレベルがわかるんですよ。そういう状況で揉まれてると、ああ、このままじゃダメだなって、気がついたような感じですね」

――歌うことに向き合うって、それはしんどいことでしたか? それとも逆に歌うことが楽しくなってきたという感覚もありますか?

「うーん、あんまり好きじゃないですけどね、歌ってる時(笑)。まあしんどいところもあるし、好きじゃないんだけど、でも研究することによってそれが楽になっていくから。練習とかも変わっていくし。向き合うっていうのは重要なことだなって、今実感しています」


次のページMV・リリース・ライブ情報
公式SNSアカウントをフォローする
フォローする