ちゃんみなが最新シングル『Angel』で響かせた美しき「堕天使」の歌は、今なぜ生まれてきたのかーーその心境をリアルに語る

一切インプットしなかった私に残されたのは感情しかなかった。その感情だけが音を作らせた。だからすべてが自分の心の音

──その渦に堕ちていく自分を俯瞰で見ている感じもします。だから感情よりも、作品としての表現のほうを優先して作ったのかなと思ったんですけど。

「いや、すべては感情ですね。今回、このコロナ禍で緊急事態宣言があったりした時期に、私は一切のインプットをやめたんですよね。音楽も映画も本も、すべてのインプットをやめて、自分でも一切音楽をやらなかったし、やりたくなかったんです。いつ再開するかもわからないのに、インプットし続けてアウトプットできなかったら爆発しちゃうと思って。だからこの自粛期間中は走ることしかしなかったんですよね。ずっとランニングばっかりっていう生活。音楽も聴かずに走ってた。そういう日々が続いて、じゃあ今の空っぽの状態で何が生まれるだろうって思って」

──最初からバチバチにコンセプトを設定して作っていったわけじゃなく。

「そういうわけではなかったんですよ、それが。自分でもびっくりで(笑)。その空っぽの状態で出てくるものってなんだろうって作ってみたら、何にもない、ネタになるような出来事も何もないという時に、そこには感情しかなかったんですよね。他のアーティストの影響もなかったし、いま何が流行ってるとか、どんな音色がとか、ヒップホップなんかは、それが一日単位で変わっていくぐらいめまぐるしいんだけど、そういうものを一切インプットしなかった私に残されたのは感情しかなかったんです。その感情だけが書かせたっていうか、音を作らせたんですよね。だから完全にすべてが自分の心の音。こういう感情の時にはこういう音が鳴ってるっていうイメージがあって、それがすごく忠実に再現できたかなと思います」

すっごい新しい表現を見つけたし、私はやっぱり昼夜問わず「表現をする」人間なんだなって再確認できました

──恋愛曲だけでひとつの作品っていうのも珍しいなと思ったけど、今、出来上がってみて、自身ではどう感じます?

「なんかすっきりしました、とても(笑)。やっぱり今書けるものをテーマにしてやってるので、今、21歳の私の曲としては、たまたま恋愛が多かったなっていうことで、次、22歳になった時にはどういう問題が私を刺激するのか、すごく楽しみだなと思います」

──そうか。まだ21歳だったかと思うくらい、曲に描かれるものが濃密ですよね。それはすなわち、ちゃんみなさん自身がこれまで常に自分自身を思い切り曲にぶつけてきたからだと思うけど、もしかしたら、それがちょっと苦しいと思う時期が、実は前作の『note-book』の時期だったのかなと。

「そうですね。そう、だから休めてよかったと思って」

──ああ、図らずも。

「たぶんあのまま仕事してたら、また違う楽曲が生まれてきたと思います。こんなこと言うのもあれですけど、なんだかんだデビューしてずっと作品作りも絶えずやって、その合間にいろんな仕事もしたし、インプットしてアウトプットして仕事してっていう繰り返しで、ほとんど休んだことがなかったので、休めてよかったんです。おかげですっごい新しい表現を見つけたし、私はやっぱり音楽をやりたいんだなとか、昼夜問わず表現をする人間なんだなって再確認できました」

──本当ならこの作品がリリースされた後のライブも楽しみにしたいところなんですけどね。でも、前作リリース後のライブも中止になってしまって、対バンツアーも残念ながら中止で。

「もうほんとにすごく残念です。対バンツアーでは出演する予定だったアバンティーズ、SKY-HIACE COLLECTIONとかとも話してます。いつか絶対やろうって。今年中はもうキツイかなっていう気はするけど、来年にでもまた実現したいと思ってます」

──でも、こんな状況下でも、“Angel”のMVの完成度はさすがでしたね。ダンス、結構大変だったんですか?

「一度やったことのあるジャンルではあったんですけど、MVのコンセプトとして、相手の男の人がいてもいなくても、私は同じ表情で踊っているんですよ。『あなたがいてもいなくても楽しいよ』、『あなたがいてもいなくても悲しいよ』っていう気持ちを表現していて。だから、そこに相手役のダンサーがいてもいなくても、そこに『いる』体で同じ表情をしなきゃいけないから、それが大変だったんです。表情の練習(笑)。だって、自粛期間中はずっと無表情で走っていたから、表情筋がもう動かなくなっちゃってて(笑)。日常生活はマスクだし、リモートだし」

──ところで、さっきインプットをしたくなかったって言ってましたけど、こうして作品としてアウトプットをしたら、またインプットをしたいモードになったりしませんか?

「うーん、それが不思議なところで、私って、アウトプットをしながらインプットする人間なんだなって思ったんです。『Angel』を作りながら、アウトプットしているようで、私はこれでインプットしてるのかもしれないって。作品を作りながら、『ああ、こういうことか』って気づくことがあるじゃないですか。私にとってはもはやそれがインプットなんです。それが次の作品にも繋がってる気がして」

──「こういうものを作りたい」と、他にインスパイアされて生まれてくるものも素敵だけれど、自分の中にそれを発見できるっていうのは、ちゃんみなさん自身が今すごくいい状態なんだろうなと思います。

「ああそうですね。『note-book』の時にもあったけど、例えば80年代のロックっぽいのを作りたいなとか、そういうのって自分の意図的なインプットから来ているような気がするんですよ。でも今回の作品はもう感情だけなんで。感情の音をどれだけ再現するかっていうことだけがテーマだったので」

──より自由になれた感じですね。「〜〜風」とかに縛られないっていうか。

「ほんと、アーティストみたいになっちゃったなあ(笑)」

──(笑)そのへんどうなんですか。自分はアーティストだなっていう感覚は前からある?

「昔から思ってはいたんですけど、最近よりいっそう思うようになりました。私ってアーティストなのかもって。なんていうか、表現の幅、テクニックがついてきたからこそ、自分のイメージしてるものが具現化しやすくなったんだと思います。ボキャブラリーも増えたし、単純に表現できる幅が広がったので、今はすごく楽しいですね」

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