Da-iCE、“CITRUS”大ヒットの先に見据えたネクストステージとは? 最新EP『REVERSi』、そのすべてを語り尽くす!

Da-iCE、“CITRUS”大ヒットの先に見据えたネクストステージとは? 最新EP『REVERSi』、そのすべてを語り尽くす!

昔だったらもうちょっと、「A、B、サビ」みたいなポップス然とした曲じゃないとダメだって言ってたかも(工藤)

――次が“NIGHT OWL”。これはなんと佐藤千亜妃さんの提供曲で。

工藤 もともとは(和田)颯が、きのこ帝国や佐藤千亜妃さんの楽曲をよく聴いていたんですよ。それで珍しく颯から「佐藤さんに楽曲をお願いするのはどうですか」って言ってきて。オッケーしてもらえるのかダメ元だったんですけど、快諾していただけて。すごくレアな現象が起きたなって感じです。

――曲を聴いて驚いて、クレジットを見て納得というか、さらに驚くというか。でも今のDa-iCEにこういう世界観、すごく合うと思いました。空間的に響くサウンドに、大野さんの色気のある歌声と花村さんのあたたかい歌声とがすごくマッチしていて。

工藤 これ、僕らが年を重ねたからできる曲だと思います。昔だったらもうちょっと、「A、B、サビ」みたいなポップス然とした曲じゃないとダメだって言ってた可能性はありますね。メンバーみんなに余裕が出てきて、こういう曲にチャレンジしたいっていうメンタルだからこそ着地したものだと思います。

――“ホンネはJoke”は大野さんが作詞を手がけた、グルーヴィーなポップソングになっていて。

工藤 この曲は、曲調で言えば、僕らがザ・青春時代に聴いてきた2000年代くらいのR&Bの雰囲気だったので、まずデモの段階で「これめちゃいいよね」って。

花村 歌詞があがってきた時に、すごく雄大くんぽいって思った。雄大くんって仲間を大切にする人で、友達もたくさんいるんですよ。僕にはあまり友達がいないから、仲間と《年取ってもずっと笑ってたい》とか言ってるシーンはあまり想像できないし、こういうハートフルな歌詞は僕には書けないんですよね。なんか人間の本質というか、すごくパーソナルな部分が出ているなあって思います。

――肩の力が抜けた感じというか。

花村 そうそう。だからほんと僕と真逆で(笑)。僕は“Break out”で「まだまだ行くぜー!」っていう感じなんですけど、雄大くんは《もっとダラけよう》って(笑)。

――(笑)。その真逆感で言えば、さらに“Promise”はすごいですよね。これは花村さんが手がけた、劇場版『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』の主題歌ですが、ものすごくエモーショナルでドラマチック。

花村 そうなんですよ。前に「仮面ライダー大好き」ってお伝えしていたら、「じゃあ今度ぜひ映画の主題歌をお願いします」って言っていただけて。スタッフさんの力もあり、それが実現しました。すっごく嬉しくて。でも、期限が1週間しかなかったんです(笑)。

――え!

花村 「1週間で最初のデモをあげてもらうことはできますか?」みたいな。台本も読ませていただいて、100年の時を超えた超大作で、テーマは家族愛なんだっていうところは理解して、それで「とにかく壮大にお願いします」っていう感じだったので、自分のできる最大限の「壮大」を詰め込みました(笑)。

――それでこういう構成とアレンジに。もうすべてにおいて熱い血が通っているというか。

花村 もう映画です、この曲自体が映画。自分の仮面ライダー愛も相まって、ものすごいことになってますよね。ちょっとやりすぎたかもしれない(笑)。

――工藤さんはどうでした? この曲を聴いて。

工藤 はい。やりすぎてるなあって(笑)。そうですね、ラーメンで言ったら、これ以上こってりしたのは出せないくらいの濃いラーメンを出された感じでした。でも、映画だし、仮面ライダーっていう子供達のヒーローの物語なので、これくらいわかりやすくないといけないっていうのはあって、そういう意味で完璧に作品に寄り添っているなと思います。

花村 めちゃ気持ちいいですよ、歌うと。雄大くんはまた「ふざけんな」て言ってましたけどね(笑)。「誰だよこれ作ったの」って。

工藤 このEPの8曲目(“Promise”)と9曲目(“Kartell”)は、それ言われるね(笑)。

花村 たとえば、「自分や雄大くんじゃなくて、違う人が歌うとしたら?」って考えたことがあるんですけど、そしたら作る曲が制限されるなって思ったんですよね。どのアーティストさんを思い浮かべても、正直、作る曲って限られちゃうんだなあって。でもそれを想像しなくてもいいくらい、なんでも歌えちゃうので。だからこういう曲を作っちゃうんですよね。

工藤 そうなんですよ。コンペの発注書とかだと、いちばん最後に設定キーが書かれてたりするんです。「ここまでしか出ません」っていう。Da-iCEからの発注書には、たぶんそれがないんで。

――だってこの曲、女性が歌ってみても相当高いですよ。

花村 これに関しては“愛をこめて花束を”(Superfly)と同じくらいの高さだと思います。

――ああ、だからやっぱり女性でも高いわけですね(笑)。でもほんと、歌い出しからテンション的にはトップなんだけど、それが後半にいくにつれてどんどん膨らんでいくし、ストリングスのアレンジも壮大という言葉がぴったりだし。

花村 ストリングス、今回やばいんですよ。1stバイオリンからチェロまで、「8・6・6・4」っていう大編成でやらせていただいて。

工藤 これRECだけでも相当予算がかかってる(笑)。

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(“Kartell”の)アウトロの、雄大と想太が掛け合ってるところ。ほんとはそこはお客さんと掛け合うっていうのが最終地点(工藤)

――で、このEPを締めるのが“Kartell”。昨年これを聴いた時に、すでにDa-iCEの新機軸を感じましたが。

花村 この曲があるだけで、自信を持って対バンライブに臨めるんですよ。対バン時に、いちばん気になるのは攻撃力なので。その大部分を担ってくれている曲です。“CITRUS”と“Kartell”っていう二大巨頭があれば戦えると思えるくらい、いい楽曲だなって思います。

工藤 ライブでいろいろできる曲なんですよ。イントロを伸ばして煽ったり。で、アウトロの、雄大と想太が掛け合ってるところ。ほんとはそこはお客さんと掛け合うっていうのが最終地点だと思っているので。それができるようになれば、大きな野外フェスとかでもロックできるかなあって。そこを目指したいんですよね。

――なるほど。今は社会的な状況も含めて声出しが難しくなっているけれども、いつかは、と。

工藤 はい。なので、もうちょっとお客さんも声を出せるような状況になってきたら、そこは一緒にやってほしいです。

――改めて、ツインボーカルのよさが全面に出た、まさにDa-iCEというジャンルが確立しつつあると感じさせるEPになりました。

花村 Da-iCEのツアーとかを演出してくれている方が、「アルバム聴いたよ」とLINEをくれて。「どうでした?」って返したら、「これほんとにライブでやるの?」って。それくらい想像がつかないと。演出家の方がそこまで言うってことは、それくらいダンスボーカルのパフォーマンスに落とし込むには難度の高い曲が集まってるんだなと思って。だから、これを表現できるグループになれば、もう無敵だなって思える。Da-iCEとしては、ライブでダンスパフォーマンスも込みで表現して、そこで初めて楽曲が完成するので、とにかく今はこのEPを引っさげてツアーを回れることが楽しみです。

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