心身をほぐしたい時ってあるじゃないですか。そういう時にほどよい温度感を見つけられるのがお酒なのかもしれないです(TENDRE)
──おふたりは最近、家でどのようなことを楽しんでいますか?池田 私の最近の趣味は、建築に関する本を読むことなんです。そこに対する知識があるわけではなくて、住宅街を歩いたり建築をぼーっと眺めるのがもともと好きだったんですけど。ただただ見てると安心するというか、音楽とはまた違う純粋にリラックスできる趣味なんです。でも、最近になってもう少し深く知ってみたいなって気持ちが湧いてきたので、今年は少しずつ興味のある本に目を通してみたいと思ってます。知らないことがたくさんある状態を楽しめる心持ちになってきたのかもしれませんね。
──趣味をゆっくり楽しみながら「ほろよい」を飲む時間って、素敵なものになりそうですね。
TENDRE 映画とかを家で観つつ「ほろよい」とか最高ですよね。僕はすごく気に入ってる家具を眺めたり腰かけたりしながらしみじみ「ほろよい」を飲みたいです。「大人になってしまった」って錯覚させてくれそう(笑)。ピアノ弾きながらとかもいいかも。
──お酒に関する思い出はあります?
池田 バンド時代にマネージャーさんがふたり付いて下さっていたんですけど、私が人見知りというか環境に慣れるまでなかなかに時間のかかるタイプなのを見兼ねて、ご飯に誘ってくれたんです。お仕事終わりに3人でジンギスカンを食べに行って、お酒を飲みながら美味しくご飯を食べていたら、初めてふたりの前で完全に気が抜けたというか、打ち解けられた感じがしたんですよね。
TENDRE 今は打ち上げがなかなかできないですけれど、やはりお酒を交わして打ち解け合うからこそ話せることって、たくさんあるんだと思います。その日のライブで見つけたアイディアだったり、時には反省点も開き直って話せますし(笑)。日常っておそらく思っている以上に神経を使っていますから、心身をほぐしたい時ってあるじゃないですか。そういう時にほどよい温度感を見つけられるのがお酒なのかもしれないです。
たとえば電話越しにそれぞれ「ほろよい」を用意して、友達と長電話したら楽しいのかもしれないです(池田)
──最近は、どのような音楽を聴いています?池田 宇多田ヒカルさんの『BADモード』です。久しぶりのアルバムが嬉しくて嬉しくて、最近ずっと聴いています。ムーンチャイルドの新譜もいいですね。「ほろよい」を飲みながら聴くんだったら、リラックスムードもありながらリズムが気持ちいい曲が合いそうです。
TENDRE 僕はブルーノ・メジャーの“Regent’s Park”ですかね。自分がいちばんリラックスできる場所で聴く音楽って最高なんですよ。それは僕にとってまさに家だったり、作業部屋なんですけど。
──親しい人と会うのが難しい状況が続いているからこそ、ひとりで過ごす時間を豊かなものにしたいですよね。
池田 ほんとそうですね。最近だとなかなか顔を合わせて集まることは難しいですけど、たとえば電話越しにそれぞれ「ほろよい」を用意して、友達と長電話したら楽しいのかもしれないです。
──「ほろよい」のお気に入りのフレーバーはあります?
池田 私のお気に入りのフレーバーは「グレフルソルティ」です。いろんなフレーバーがあるので、何種類か冷蔵庫に常備しておいて、その日の気分で選ぶのも楽しそうですよね。
TENDRE 僕は「白いサワー」。シンプルな美味しさがありますよね。とても好きです。
──この記事を読んでくださったみなさんにも、「ほろよい」を楽しみながらいい時間をぜひ過ごしていただきたいですね。
池田 そうですね。心と身体を緩めて自分と向き合うと、これまで聴いてきた音楽やいつもの趣味もまた違う一面を見せてくれるような気がします。みなさんも「ほろよい」と一緒にいい時間を過ごせますように!
TENDRE ちょっと力が抜けてしまうくらいの時って、いちばん心地いいんですよね。そんな瞬間がたまにあるからこそ、頑張るべき時に頑張れるのかも。ちょっと力を抜きたい時は、2021年にリリースした『IMAGINE』という僕のアルバムの後半からがよく合うかも(笑)。どうぞお楽しみください。
対談を終えて
文=田中大
サントリー「ほろよい」の新TV-CM「ほろよい飲んでなにしよう?」篇のために制作された “水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal”に関して、まず注目すべきなのは、「tofubeats“水星”」と「小沢健二 featuring スチャダラパー“今夜はブギー・バック(nice vocal)”」のマッシュアップであるという点だ。マッシュアップとは複数の楽曲の要素を抽出して再構築することを指す。ネタを使って新たな楽曲を生み出すサンプリングと地続きの創作技法だという捉え方もできるだろう。CMのアニメver.で使用されている楽曲は「kZm × 佐藤千亜妃」、実写ver.で使用されているのは「TENDRE × 池田智子」──ふたつのコラボレーションが実現しているが、別個の楽曲がごく自然に融け合い、それぞれの旋律が効果的に煌めく仕上がりは、マッシュアップの醍醐味を存分に示している。
Chaki Zulu(YENTOWN)がプロデュースを手掛けた「kZm × 佐藤千亜妃」に関しては、ふたりの歌を絶妙なポイントで重ね合わせて響かせるハーモニー、コラージュ的な声の配置と残響をコントロールして生み出すスリリングなノリが、柔らかな月の光が降り注いでいる空間のようなロマンチックなムードを漂わせている。そして、冨永恵介がプロデュースを手掛けた「TENDRE × 池田智子」は、ふたりのリラックスしたトーンの歌声が心地よい。池田が歌う“今夜はブギー・バック”が終盤で1オクターブ上へと転じることによってTENDREとのコントラストが一際浮き彫りになり、ドラマチックな色合いを浮かべる展開にも非常にワクワクさせられる。
この2曲に共通する印象を端的に言い表すならば、「何気ない日常が輝く瞬間が、そのまま音になったかのよう」という感じだろうか。そして、それは「ほろよい」のCMに込められたメッセージとも重なる。大好きなものに囲まれ、ときめく何かとじっくりと向き合う時間は、美味しい食べ物や飲み物が傍らにあると、ますます豊かなものになる。“水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal”は、そんな生活を彩る素敵なBGMにもなるはずだ。