「ワールドワイド」になったらなったでいいし、ならなかったらならなかったで。自己満で作ったからなんでもいい(オロノ)
――アルバム全体の感想はどうですか。菅原 スーパーだなと思ったし、やっぱり新しくしてくるんだと思いました。新しかったし、なんかギターのあの「ギュイーン」っていうのあるじゃん?
オロノ うん。
菅原 あれもところどころあったから聴けてよかったなと思ったし(笑)。
――オロノさんとしてはどんなアルバムになったと思ってる? 作り方も前作とは変えたと思うんだけど。
オロノ でも、そんなに作り方も変わってなくて。実際に会ってジャムセッションした曲もあるけど、基本的にはファイルを送り合って作っていたから。でも、2017年の夏ぐらいから作ってた曲とかもあるんで、結構時間かかったなって。
菅原 そうなんだ!
オロノ 2019年の終わりぐらいに原型はできてたんだけど、そのあとにパンデミックが始まっちゃったから、レーベルも「もっと時間かけていいよ」って言ってくれて、そのあともずっといじり続けたって感じ。
――そうやって曲をいじり続けるのは好きなほうなんですか?
オロノ 好きです。なんか、言われない限りずっとみんないじり続けるから(笑)。今回もとりあえずこれでいいんじゃないって言って終わった感じ。
――『World Wide Pop』っていうタイトルもいいよね。
菅原 うん、かっこいい。
オロノ なんか、さっきのインタビューの人に「それは狙ってるんですか?」って言われたんだけど、そうやって計算してやってるとかは特になくて、このアルバムのタイトルも、曲が元々できてて、アルバムタイトルを決めなきゃっていう段階に入った時に、いろいろクソみたいなタイトルを考えたんだけど、結局面倒くさいから『World Wide Pop』でいいんじゃね?みたいな感じで適当に選んで。でもあとあとこうやってインタビューとかする中で、結構ぴったりでシンプルで、わけわかんなくてちょっと面白いタイトルで、いいかなって。
――「ワールドワイドポップ」になりたい気持ちもありますか?
オロノ なったらいいんじゃないですか? それはもう、自分ができるのはこうやってインタビュー受けたりとか、ライブやったりとか、それだけだから。それでこのアルバムがどうなるかは自分が決めることじゃないから。なったらなったでいいし、ならなかったらならなかったで。自己満で作ったからなんでもいい。
――そこでちゃんと「自己満で作った」って言えることが、当たり前だけど大事ですよね。菅原くんもたぶんそうなんだと思う。
菅原 最終的には自己満ですね。じゃないと、もちろん、さっき話したようにわかってくれる人もわかってくれないだろうなと思うし、そこは嘘のつき方もわからないので。それで試行錯誤してますね。ずっと工夫している段階。これが自分の何かだっていうのが見つからないままたぶんやり続けるんだと思います。苦しいですけどね。
――あの、天才なんですよ、菅原達也って。
オロノ うん、そう思う。
菅原 イエー! そうなんですよね。そうなんですけど、全然微妙なんですよね。
オロノ 何が微妙なの?
菅原 売り上げがないのと……でも、これ結果論といえば結果論というか、わかってる人はわかってるからいいかってどこか落ち着いているところもあるんですけど。
――まあ、別に売れなくてもいいけど……。
菅原 いや、売れたいですよ?
――そりゃそうだけど、まだ届くべきところに届いていない感じもしますよね。
菅原 そう。だから、自分が届いてほしいところすらもまだ届いてない状況にあるからやってるっていうのもあるんですよね。
オロノ そんな正直に作って、日本で広めていっても、そういう自分が求めるほど広まっていないっていう状況ってことでしょ? だったら、やっぱり海外にさ(笑)。だって世界は広いじゃん。
菅原 世界かー! 言葉にするとデカいぜ!(笑) でもそういう話、したいな。
オロノ 全然手伝うよ? 広めとくよ。
話しててちょっと興味出てきたわ、海外。まったく外国に行ったこともないけど(笑)(菅原)
――今回のカバーをきっかけに、スーパーオーガニズムのファンにもめ組の名前が届くと面白いことになるかもしれないですね。オロノ 海外のインタビューでも言うよ、菅原の名前。
菅原 話しててちょっと興味出てきたわ、海外。なんか1回、2年ぐらい前に海外行こうぜって言われて、俺「お金ないから行けない」って言ったじゃん。
オロノ 今はお金ある?
菅原 ちょっとある(笑)。
オロノ 来てよ。いつでも来て。
菅原 行ってみたいですね。俺、まったく外国に行ったこともないけど(笑)。
オロノ ロードトリップ行こうよ。車でアメリカを横断するの。
菅原 やだよ、長そうじゃん(笑)。
オロノ いいよ、親友に運転させるから。
――ツアー、一緒にやればいいじゃん。
オロノ うん。全然やってよ。次のツアーは決まってるからあれだけど、その次とか全然、やりたかったら。
菅原 OK、やろうぜ。アメリカでライブするとか、なんか面白そう。そういうカオスなところでやるの。全然別の方法というか、ライブとかはたぶんいつも通りになるんだけど、その工夫が楽しそうだな。こうしたら面白いだろうなっていうのが。
オロノ めっちゃウケいいと思う、菅原。っていうか一緒に曲作ろうよ。
菅原 っていう話もしてたね。
オロノ そう、昨日、(メンバーの)ハリーにいろいろ見せてて、さよ今とかめ組とか。「こいつとやろうよ」って言ってた。やる気満々。
菅原 ハリーって前に会ったことあるよね?
オロノ 会ったよ、渋谷のバーで。
菅原 そう。バーで帰る時に、みんなに挨拶してたんですよ。俺酔っ払ってて、英語が飛び交っててわけわかんなくなって、俺「グッバイ」って言おうとして「ファックユー」って言っちゃったんですよ。
オロノ そうそう! クソ面白かった。
菅原 そしたらハリーも笑顔で「ファックユー」って返してくれたんですよ。俺、それがすげえ嬉しくて。その出来事は超よかった。
――今後コラボレーションが実現するといいなというのと、あと一緒にライブやったことないんだよね?
オロノ ない。っていうか観たことない。ちょうどアメリカ行く直前ぐらいにファンになって、アメリカ行っている間ずっと聴いてて、アメリカにいる間にさよ今が活動休止になっちゃったから。めっちゃ悲しかった。だから超観たい。
菅原 ライブもいいけど、まずは何か曲作ってみよう。面白そう。
オロノ うん、やろう。本当にやろう。ハリーが「来年また日本に来ようかな」って言ってるから、その時に。