MAD JAMIE、新体制になっても貫くノンフィクションな熱さを感情線あくびが語る

MAD JAMIE、新体制になっても貫くノンフィクションな熱さを感情線あくびが語る

どういう状態になってもあくびはやり続けるって覚悟を決めてステージに立ってたんですけど、その意志を曲げずに選択をしてよかったなって

――おひとりで動き出しているという今、心境はいかがですか?

「あれもこれも初めてな感覚はめちゃくちゃあるんですけど、改めてMAD JAMIEの曲にも向き合っていて。MAD JAMIEというモノ自体が大好きなんだな、っていうのを実感しているところです。それに、前体制でメンバーと一緒にやってきた時もそうだったんですけど、支えてくれるスタッフ、フロアにいるJamie(ファンの総称)も全部合わせてMAD JAMIEが完成すると思ってたから、そこへの不安はないというか。ひとりじゃない気持ちがあって」

――4月1日にSNSであくびさんのソロプロジェクトとして再始動すると発表した際、好意的なリアクションがすぐにありましたね。

「自分が思ってたより……ありがとうという言葉をJamieがかけてくれて。それにすごく支えられたというか。もともと、MAD JAMIEを始めた時からどういう状態になってもあくびはやり続けるって覚悟を決めてステージに立ってたんですけど、その意志を曲げずに選択をしてよかったなって思いました」
――前体制のラストライブの時、「まだまだやり残したことばっかだからさ、また必ず帰ってくるからさ!」とお話しされていました。

「ホントにMAD JAMIEでどこまでも駆け抜けていくという気持ちがずっとあるし、武道館を絶対にやりたいというのが大きくて。それが叶えられずに前体制が終了すると決まったのが心残りというか、まだまだやることはいっぱいあるのに、っていう気持ちを伝えなきゃと思ったんです」

――武道館を目標のひとつにしてる理由は?

「憧れというか、アーティストとしてはまず(武道館へ)行ってからスタートするんだ、っていう気持ちがあるし。その先、ドームとかもっともっと大きな場所へみんなと行くために、っていう」

――何か印象的な武道館でのライブはありますか?
「直接、(武道館へ)行ったことはないんですけど、DVDとかでいっぱい観てて。でんぱ組.incさんが初めて武道館をやったライブの映像を観た時は、ファンの人と一緒に夢を叶えたんだ、っていう熱量をすごく感じました。物語を紡いでいけるのはすっごい素敵だし。あとは、Ken Yokoyamaさんの武道館。あの空間がライブハウスになってて。心の中に大切なモノをみんなが持ち寄ってできてる、っていうのがすごいかっこよかったです」

――MAD JAMIEとしてもああいう空間が作りたい。

「絶対に叶えたいです」

――MAD JAMIEは2021年4月というコロナ禍の真っ只中にデビューして、ライブハウスで歌い叫びつつも息苦しさもあったのかなと想像します。

「ホントだったら――みたいなことを考える時はいっぱいありましたけど、やれることを全力でやって駆け抜けてきた、っていう気持ちがすごく強いなって思います」

――やってきたことに後悔はない、と。

「それはまったくないです」

ずっと嘘のない熱さがMAD JAMIEがいるライブハウスには詰まってるんだっていう、すべての意思を乗せていっぱい叫びました


――MAD JAMIEはサウンド的に攻撃的で激しいロックサウンドが特徴ですが、あくびさんご自身もそういった音楽が好きだったんですか?

「それまでジャンルを意識して音楽を聴いたことがなくて、MAD JAMIEになってからいっぱい教えてもらいました。その中であくびがいちばん心が震えたのはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンです」

――ジャケット写真でもオマージュされてますよね。他にもニルヴァーナやマイナー・スレットとか。

「そうなんです。結構、そういうリスペクトを持ってオマージュしたジャケットがあって。その精神を勝手にもらって、世に届けていこう、って」

――実際、MAD JAMIEの歌詞は現状を打破するとか、閉塞感を打ち破るような言葉が多いなと思います。そういった言葉に感化されるようなことも?

「確かに歌いながらそういう風にシフトしてるのかな。もともと、歌詞の中に入り込みながら歌うのが好きだし。自意識過剰なんですけど、『全部、自分のために言ってる歌詞だな』ってすぐ思っちゃうんですよ(笑)」

――そして、新体制として初のシングル“NONFICTION” がデジタルリリースされました。これからの気持ちが入った戦闘宣言のようにも感じたんです。

「《This is Nonfiction》って叫んでるパートがあるんですけど、自信を持って嘘がないって言うのは覚悟がいるじゃないですか。そういうつもりで今までの活動もやってきたし、それはこれからもずっと変わらなくて。ずっと嘘のない熱さがMAD JAMIEがいるライブハウスには詰まってるんだっていう、すべての意思を乗せていっぱい叫びました」

――前体制で発表された“Catch my life”という曲にも《This is ノンフィクション》という歌詞もありますし、MAD JAMIE的にノンフィクションという言葉は大事なんですね。

「すごく大事にしてます。あくびはライブや作品に生き様が見えたり、乗ったりする瞬間に心を奪われるし、そういうモノを大事にしてきたから。それを感じ取ってくれてるJamieがたくさんいると思うし、ずっと大事にしていきたいと思ってます」

――ソロプロジェクトになってどうなるんだろう、と思ってるファンもいると思うんですけど、この曲が届くことによってスタンスは変わらないんだということが証明されますね。

「うん、何も変わってないです」

――歌に関しては、この曲でもちょっと柔らかい表情でメロディを歌ったかと思えば、ハイトーンで突き抜けたり、シャウトをしたり。声色を使い分けてる印象もあります。

「でも、自然にそうなっていくことが多いかも。情景を思い浮かべたり、こういう気持ちで歌いたいっていうのはあるけど、声色をそうしようみたいな気持ちはあんまりなくて」

――あくびさんって、感覚派だったりします?

「そうなのかな……あんまり器用ではないなと自分では思ってて。だから、感覚とか直感を大事にしがちかも」

――でも、MAD JAMIEの衣装はご自分で作られてるんですよね。

「そうです、そうです」

――めっちゃ器用じゃないですか(笑)。

「確かに、手先は多少器用かも(笑)」

――実際、どのレベルで作られてるんですか?

「デザイン画を描いて、日暮里の繊維街で布を買って、ミシンで縫製してます。今回の新衣装も作らせてもらったんですけど、スタッズもハンマーでひとつずつ打ち込みました(笑)」
次のページ自分の気持ちを人に話すのがずっと苦手だったから、いつも夜空を見てお月様にこう思うんだ、って話しかけてたんですよ
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