BEGINとコラボっていうのがすごい嬉しかったんです。「お前ら歌ってくれんか、歌詞も書いてくれんか」って言ってもらえて(マスト)
──きいやま商店の音楽は、バンドサウンドの中で三線が効いているものが多いですよね。そのバランス感はかなり意識しているのかなと思うのですが。マスト やっぱり三線が入ることによって、きいやま商店らしさが出るんですよね。僕ら3人だけでやるライブが多いんですよ。みんなもともと他のバンドでもボーカルだったこともあって、3人ともギターはコード弾きしか得意じゃなかったんですよね。だからきいやま商店では三線がリード楽器になるんです。三線ならイントロでソロも弾けるし、迫力も出るので。
リョーサ きいやまの曲はストレートなものが多いので、めっちゃ入れやすいんですよ、三線。すぐにメロディが浮かんでくる。ほんとすぐ出てきます。
だいちゃん 三線が入ったからといって民謡調にはならないじゃないですか、きいやま商店って。それは俺らにしかできないことなのかなって思っています。
──そして外せないトピックとして、“おかえり南ぬ島”でのBEGINとの共演がありましたね。
リョーサ 今回この曲が入ったのも嬉しかったですね。
だいちゃん これは新石垣空港(南ぬ島石垣空港)ができた時に作った曲で。
マスト BEGINとコラボっていうのがすごい嬉しかったです。「お前ら歌ってくれんか、歌詞も書いてくれんか」って言ってもらえて。これは大事に歌おうと思って。
だいちゃん これ作った時、完全に今年の紅白行くなって思ってたけどなあ(笑)。石垣も、あれだけPRするって初めてなくらいだったので。
マスト 振り付けもあって島民のみんなと踊ったんだよね。
リョーサ Perfumeの振り付けとかで有名なMIKIKO先生が振り付けしてくれてね。
マスト ボーカル録りの時はBEGINのメンバーもいて、比嘉栄昇さんが俺らに歌唱指導をしてくれたんですよ。
リョーサ ど緊張でしたね。「もっとやさしく」「声張らないでやさしく」って言われてもうまくできなくて。
だいちゃん 難しかったね。3時間つきっきりで丁寧に指導してもらいました。俺たちに歌わせてくれて、コーラスがBEGINですから。贅沢ですよね。
“ゆーしったい”は遊べるからね。今回はK-POP風にしましたけど、2024年はどうしようかね。演歌かな(笑)(だいちゃん)
──あと、“ゆーしったい2023”も今回、音源としては初収録となる曲ですね。リョーサ “ゆーしったい2023”は今風のK-POP風のアレンジにしました。これはもともとはもっと長い曲なんだけど、ちゃんと3分以内で終わらせようっていうことで。
だいちゃん “ゆーしったい”は遊べるからね。今回はK-POP風にしましたけど、2024年はどうしようかね。演歌かな(笑)
リョーサ あはは。いいね。
だいちゃん いろんなアレンジでやれる曲なんですよ。サウンドにこだわりもないから。
マスト 演歌かインドだな(笑)。
リョーサ インドもいいね。ダンスつきでね。
──というわけで、人気曲が詰まった、そしてきいやま商店入門編としてもばっちりなベストができあがりましたが、改めて、きいやま商店はこれからどういうバンドでありたいと思いますか?
リョーサ 変わらず、おじいちゃんになっても飾らずこのまんまでいたいです。座ってライブをするようになってもいいし、島のおじぃになりたいですね。ほんとこのまんまで。
だいちゃん 僕もリョーサと同じ気持ちですけど、とにかく石垣が大好きなので、地元にずーっと愛されるバンドでいたいです。ほんとにこれまで石垣の人には応援していただいてきたので、引き続き、ずっと愛されるバンドでいたいです。
リョーサ ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブみたいになりたいですね。たまに東京や他の街にも訪れては演奏して。
──90歳を過ぎてもバンドはやれますよね。なんかイメージできます、きいやま商店なら。
マスト きいやま商店らしさというものが、皆さんにもわかってもらえてきたと思うので、どこかで耳にした他のアーティストの曲でも「これはきいやまっぽいね」とか言われるようなバンドになりたいですね。スタイルは崩したくないんです。僕らも流行を取り入れて作った曲もあるけれど、やっぱり面白くないんですよ。もっと僕ららしい曲が知られていったらいいなって思います。
──まずはこのベストをたくさんの人が聴いてくれたら、きいやま商店らしさがしっかり伝わるんじゃないかと思います。
マスト CDの帯に書いてる『日本中が「きいやま商店」を知る1枚!!』っていう。この言葉にもそういう思いが込もっています。たくさん聴いてもらえたら嬉しいですね。