【インタビュー】あいみょんの深まりと愛を歌うことのシンプルさと、『猫にジェラシー』というタイトルの関係性。あいみょんと語る

【インタビュー】あいみょんの深まりと愛を歌うことのシンプルさと、『猫にジェラシー』というタイトルの関係性。あいみょんと語る

書き下ろしで、何かヒントをいただいて、っていう書き方もシンガーソングライターとしてあるべきだなと思ってるので。既存曲のおかげで自分の引き出しが広がっている

──このアルバムは長い時間をかけて作っていたの?

制作自体は今年に入ってからなんですけど。アルバム作りましょうというお話だったり曲選びは、去年の冬ぐらいから始めてました。

──すごく不思議なアルバムでもあって。じっくり熟成して作ったと言われたら、なるほどねと納得するし、あったものをバランスよく並べただけですと言われても、それもまたなるほどねと納得できちゃうんだよね。すごく不思議な手触りのアルバム。

でも制作自体は、どっちかというとドタバタした思い出のほうがある気がしますね。

──ドタバタっていうのは、忙しい中で頑張って作ったな、みたいなこと?

忙しかったっけ? あ、私が勝手に忙しくしただけか、プライベートを(笑)。

スタッフ でも、制作は結構詰まってたかな

そうですよね、詰まってはいたんで。あ、ヤバいヤバい、コード覚えなきゃ、ギター弾かなきゃ、みたいなことをやってた気がします。ヤバいヤバい、覚えなきゃ、やらなきゃ、って。今回、珍しくアレンジのやりとりも多くて。ゆっくりアレンジャーさんたちとやりとりできて、結果的にいいものができたっていう感覚です。

──アレンジの広がり方は今までで最も多様といってもいいかもしれないね。

うんうん、そこのやりとりはすごいできたのでよかったなって思います。

──そういうところが、僕が感じた成熟み、みたいなところなのかもしれないな。より音楽的になっている感じがする。

ありがとうございます。

──で、あいみょんにとってはいつものことといえばいつものことなんだけど、多くのタイアップ曲、存在感を持った既発の楽曲たちがたくさんいて。

1、2、3……6曲か。


──今回は特にヘビー級の名曲たちがいたよね。それはアルバムの全体像を作っていくうえで、考えによってはすごく大変なことだったんじゃないかなと。

このタイアップ曲がアルバムにいることで、っていうことですよね。いやあ、個人的には、大変。こいつらを見てバランスを取る難しさはもちろんありますし。タイアップ曲って、曲が長かったり、壮大になっているものが多いので。それ以外に、どういうスパイスたちを入れるかって考えると、ちょっと難しくなるときはあります。

──そういうときにあいみょんはどういう考え方で整理するの?

1回無視して、このアルバムに入れたい曲をバーッと並べて。でもこの曲があるからこれはちょっとBPMが近いなあとか。そういう曲を1回脱落させてみて。流れで聴いたときに同じBPMってどうなんやろう、とかは考えます。そういう意味でいうと、既存曲があることによってバランスが取れるっていうのもありますけど。

──毎回その作業はとても大変だよね。

ああ、あれもあった、これもあったと思いますもん。ありがたいことなんですけど。

──でも今回は、既発曲を並べたとき既に、バランスが非常によかったかもしれないね。

今回は確かにCMの曲で、ちょっと変な曲もあったんで。似通ってはなかったですね。

──既発曲が5曲あるとして、そのバランスはあとからはコントロールできないじゃない?

もう絶対入れなきゃいけないですし。それに、(既発曲を)作ってるときはアルバムのこと考えてないですしね。

──「いつも同じクオリティで」という言葉はものすごくいい意味で使いたいんだけれども、あいみょんは、スタンダードなアルバムをこれから先も作れると思うんだよね。これから先も、『瞳へ落ちるよレコード』クオリティ、あるいは『猫にジェラシー』クオリティのアルバムを作れると思うのね。そのなかで唯一不可測な要素があるとすれば、既発曲がどういうバランスで揃っているか。

そうですね。でも、嬉しい悲鳴です。幸せな悲鳴ですよね。シンガーソングライターとして、書き下ろすっていう作業もすごく力になりますし、やり続けたいことではあるので。書き下ろしやからこそ生まれた曲たちなんですよね。他の曲たちは、日々の生活の中でバーッといっぱい書いたものですけど。書き下ろしで、何かヒントをいただいて、っていう書き方もシンガーソングライターとしてあるべきだなと思ってるので。そういう意味でいうと、既存曲のおかげで自分の引き出しが広がっている気はします。


──今回は、その既存曲のバランスが既にとてもよかった。だから、これまで以上に、より一層全体像がまとまっている印象があるよ。

ありました? よかったです。ずっと作業をしてるとわからなくなってくるんですよね。表に出てみないと、どうですか?って見てもらわないと、わからないところでもあったりする。そう言っていただけるのであればよかったなと思います。でも今回はドラマだけじゃなくて、CMのタイアップがあったのが大きかったですね。変な曲を作るきっかけにもなったので(笑)。

──そうだね。よりテーマを揺らしたうえで作れたというかね。

そうですね。

──本当に素晴らしい作品だよね。

ありがとうございます。

──あいみょんとしてはどうですか。これまでの作品と比べても手応えはある?

もう常に私は、次、次、次というイメージなので。前作よりも今作だってもちろん思ってますし。うーん……いいと思います(笑)。うん、いいとは思う。

──ひと言でまとめてしまうのならば、すごくいいアルバム、だよね。

そうですね。「私はいいと思うんですが……よかったら聴いてください」とシンプルに思ってます(笑)。そういうアルバムです。


ヘア&メイク=松野仁美 
スタイリスト=服部昌孝
衣装協力=ヴィンテージ(CCX Kitazawa e-mail:c.c.x.webstore@gmail.com)
撮影協力=PROPS NOW


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