ディスクロージャー @ 新木場STUDIO COAST

2度目の来日。しかし筆者にとっては初めてのディスクロージャー体験は、腰を抜かすほど素晴らしいものだった。ケチをつけるところなどまったくない、完璧なパフォーマンス。レコードでは若さに似合わぬ完成されたハウス・ミュージックを披露して驚かせた彼らだが、ライヴではそのすべてがグレードアップされていた。レコードやネットで見られる過去のライヴ映像での彼らが、全教科80点以上の「普通の」優等生なら、この日のライヴは全教科95点以上の超秀才レベルだった。もともと飛び抜けていた才能が、然るべき時を経て、然るべき会場と観客に出会って、とんでもない進化を遂げていたのである。

まずは会場の音響の良さ。音の質感、鳴り。もともと音のいいハコだが、クリアで分離がよく、抜けるようなミッドハイとファットで温かみのあるローのバランスが抜群で、いつまでも浸っていたい、踊っていたいと思わせる。ああいう出音は元音が良いのは当然として、ケーブルに始まって機材の細かい吟味と、本人とスタッフの意識が高くなければ出ない。

そして映像。VJによる演出は前回来日時にはなかったということだが、センスのいい映像が3面スクリーンに投影され、音楽に応じて躍動する。特にCG合成した顔の線画がヴォーカルにあわせて歌う演出には唸らされた。

だがなにより素晴らしいのが演奏だった。計算しつくされた心地良いリズム・アレンジ、完璧なミックス・バランスで鳴らされる上モノ。アレンジの熟練度と完成度はとても20歳そこそこの若者とは思えないのはレコード同様だが、パーカッションの大幅な導入や生ベースによって、持ち前のトライバルなリズム・シーケンスがさらに強化され、おそろしく躍動的でフィジカルなダンス・グルーヴが現出し、フロアは一気に沸騰する。端正でクールで整った、アダルトな香りすら漂う完成度の高いレコードではわからない、強力な肉体性、そして観客を煽りまくるライヴ・パフォーマーとしての熱量。特筆すべきは、そこにロックの要素はほぼ皆無であること。あくまでも装いはクールで洗練されたガラージ・ハウス。だがロッキンなテクノ・アクトたちにも劣らぬエネルギッシュなパフォーマンスは、やはり若さ。しかもそこには若さ特有の荒々しさがない。若さゆえの勇み足や未熟を逃げ口上にする必要がない、というべきか。

「最初からこんなにクオリティが高くて、やることは残ってるのかという、いらぬ心配もしたくなってしまう」とは筆者が書いたアルバムのレコード評だが、前言訂正します。彼らの進化は予想以上に早い。次のアルバムが本当に楽しみだ。(小野島大)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on