ASPARAGUS @ SHIBUYA-AX

ASPARAGUS @ SHIBUYA-AX - ASPARAGUSASPARAGUS
ニュー・アルバム『MONT BLANC』のリリース・ツアー、全19本のラスト、SHIBUYA-AX。2度のアンコールを含めて2時間半ちょっと、全29曲、やたら幸せな時間だった。スイートなメロディと声、シンプルかつ玄妙かつ絶妙なギターのコード・ワーク、タテもヨコも直線ビートもシャッフルも自由自在なリズムで、超満員のフロアをもう思うがままに楽しませていく。って、ヘンか、「楽しませていく」って言葉の前に「思うがままに」って言葉が付くのって。でもほんと、そんな、「ニコニコしながら完全掌握」「やわらかに制圧」みたいな感じだった。

渡邉忍のMCもさえてたし。口を開く度に「今日長いよ?」「曲はしょる?」「もう飽きたでしょ?」「疲れたでしょ?」などと言いながら、その度に「あっはっはははははっ!」と自分で笑い声をあげながら、時にかんだりすべったりする度にバチン!と自分で自分にビンタを入れながら(ビークルタロウで言うところの「てめえでお願いします」状態です)、あとMUSIC ON-TV!の生中継が入っていることも意識しながら、それからフロアに向かって「みんな疲れたでしょ? 立ち仕事だからね、言ったら。俺らもだけど。あ、でもこの人(ドラムの一瀬正和を指して)は座り仕事、事務方だから。事務方のくせにすっごい汗かいてるんだよね」と、もうなんか、どこに行き着くのかわからないことをしゃべり出したりしながら……書いてるうちに「どこがさえてたんだ」という気がしてきたが、なんかいつも面白いのだ、この人の、ふにゃふにゃでぐだぐだでいきあたりばったりなしゃべり。

しかし。アンコールの時、「こんなにいっぱい集まってくれてワンマンやれるなんて思っていなかった」と、オーディエンスに感謝を伝えながら、つい「……あの時、解散しなくてよかった」と、マジなことを言ってしまいました、忍さんは。

ちょうど1年前、つまり2006年いっぱいで前任ベーシストの山下潤一郎が脱退してしまい(そういえば最後のライヴは12月30日のCOUNTDOWN JAPAN幕張だった)、その時は結構大変で、解散まで考えたそうです。ってことを切々と語っている自分に気づいて、「……マジな話すると、声小さくなるね俺たち(笑)」と自分につっこんでいましたが。

というわけで、楽しさ激しさ気持ちよさおもしろおかしさに、最後にはウェットな感動まで加わった一夜でした。(兵庫慎司)
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