cutman-booche @ 渋谷O-nest

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現在、公開中の邦楽TVはご覧になりましたか? cutman-boocheのツアー密着と題して各地でのライブ模様を配信しているのですが、ついにこのツアーも明日の大阪でのファイナル公演を残すのみ。本日は、10月4日に出演した朝霧JAMから全国ライブ・ツアー『cutman-booche 2008 -boosoul tour of Autumn-』でこれまで全20公演を廻り、ラスト2公演となる東京・渋谷O-nestでのワンマンライブのレポートをお届けします。本当に温かくて優しくてcutman-boocheの人懐っこさが表れた愛に溢れるライブでした。

メンバー登場とともにフロアからの手拍子で迎えられ、まずは“Gumbo soup”でウリョン(Vo/G)とシュウサク(B)が鳴らす笛の音色とともにグルーヴィーに盛り上げる。「いつも(ライブが)短い!ってクレームがあるから(笑)」と言っていたように、東京でのワンマンライブはこれが2度目。前回は今年5月に行われたツアーでのことで、しかもその時は東京では初のワンマンだった。「今日はたくさん届けたいことあるから、たっぷり、懐かしい曲もやります」と、初期の曲から前回のツアーで生まれたという楽曲“See you letter...”まで、今、彼らが届けたいと思う曲をマイペースに届けてくれた。

ハスキーだけど伸びやかに響き渡るウリョンの歌声と、まるで歌っているかのように情感豊かに弾かれるシュウサクのウッドベース、穏やかにしっとりとメロディーに寄り添うようなリズム。本当に楽しそうにプレイをする3人の姿を見ているだけで、こちらの顔も綻ぶほどに幸せな気分になってくる。と同時に胸いっぱいに感情が溢れてくる。オーディエンスとの距離の近さやcutman-boocheの人柄もあるけど、それだけではない親近感を憶える何かがcutman-boocheの音楽にはある。聴きながらずっとそれを考えていた。

前日の夜は眠れないほどの緊張に苛まれながらこの日を迎えたというウリョン。夜中に眠れなくて、初心に戻りたいという想いから自分が通っていた小学校、中学校を巡っていろんな思い出を辿っていたというエピソードを披露してくれた。自分がこれまで出会ってきた人たちのことを考えたり、自分が伝えたいことはなんだろうと物思いにふけながら時間を過ごし今日を迎え、巡り巡った想いのすべてをこのライブで伝えてくれたように思う。ウリョンは何度も「音楽やってて良かった。報われた」と口にしていたのだけど、これまでの自分を全部思い返しながら、その感謝の気持ちを音楽に乗せて届けた“See you letter...”という曲が今のcutman-boocheのすべてを表していたように思う。そして、それをこの場にいたオーディエンスに届けられたという事実が、彼らにとって今回のツアーでの最大の命題でもあるのだから、ウリョンが何度も何度も「報われた」と言ったのも、なんか頷ける気がした。

ラスト、いい雰囲気で締めくくられるはずが、ウリョンのギターのチューニングが狂ってたり、ハーモニカを取り替えるのを忘れていたりで、2、3度やり直すという場面もあったのだけど、それもご愛嬌で許せるほどオーディエンスは温かい眼差しで見守っていた。最初から最後まで優しい気持ちに包まれながら、心地よい温もりに浸れる一夜。また、次もその温かさに触れたいと思える素敵なライブだった。まだ、cutman-boocheのライブを体感したことのない人は、まずは邦楽TVでのライブ映像をチェックして次のツアーを楽しみに待っていよう。(阿部英理子)
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