ダニエル・パウター @ NHKホール

ダニエル・パウター @ NHKホール - ダニエル・パウターダニエル・パウター
2006年、テレビや街角で一番よく耳にした1曲と言っても過言ではないであろう、ダニエル・パウターの“BAD DAY”。「今日はただ“ついてない日”だっただけだよ」と歌うサビのフレーズは、なんとなく耳にしただけでも自然と頭の片隅に残るような曲だった。そんな名曲を作り出したダニエル・パウターが、今年、2ndアルバム『アンダー・ザ・レーダー』を発売。そして、昨日の28日@NHKホールを皮切りに、東京、大阪、名古屋を廻るジャパンツアーをスタートさせた。

なんと、今回のツアーのために、ダニエル・パウター・バンドを結成! ステージには向かって左手よりグランドピアノ&シンセ、ギター、ドラム、ベース、ギター、そして紅一点で女性コーラスの6人が並んでいる。まだ大阪・名古屋公演が後ろに控えているので曲順などの詳細は控えるが、最新アルバムからはもちろんのこと、1stアルバムの『ダニエル・パウター』からの曲もたくさん披露され(もちろん“BAD DAY”も!)、聴きどころ見どころが盛りだくさんな一晩だった。

真っ白で丸みを帯びたフォルムが美しいピアノを弾きながら、良質なメロディを透明でハリのある美声で歌い上げるダニエル。最初ファルセットの声が少しきつそうな様子がちょっとだけあったが、曲が進むうちにダイナミックな歌声が戻っていった。しっとりと歌い上げる曲もアップテンポな曲も、基本のメロディがしっかりとしていて耳に心地よい。

半分ぐらいダニエルがピアノを弾かず、歌うだけの曲があったが、そのときのファン・サービスが凄かった! “Don’t GIVE UP”ではステージ前に足を投げ出して座って最前列にいる人を見つめながら歌ったり、投げキッスをしたり。“FREE LOOP”のときなんかは、客席に降りたと思ったら1階席の後方にまで走っていき、観客と握手したり肩を組んだり、髪をくしゃっと触ったり!! 極めつきは彼が選んだ女性をひとりステージに上げて椅子に座らせ、そのすぐ横でダニエルがピアノを弾き語った“STUPID LIKE THIS”。ここまでしてくれるアーティストはなかなかいないだろうけど、聴いてくれる人への感謝の気持ちがこんな行動に表れている、そんな風に感じられた。

途中、日本のために作ったという雄大なメロディの“AM I STILL THE ONE”のときにふと周りを見ると、肩を寄せ合って聴いているカップルを何組か発見。聴いているだけで気持ちが優しくなれるライブ。残りの公演は大阪と名古屋。気分がちょっと落ち込んでいたり、冬独特の一抹の寂しさを覚えている人はぜひ足を運んでみてください。ほわっと温まれますよ。(石井彩子)
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