POLYSICS @ 赤坂BLITZ

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「POLYSICS WORLD TOUR OR DIE 2008!!!! 〜ハミ出せ!! 春のウキウキ・ジャパンツアー!!!!〜」と題されたツアー・ファイナル。といっても、5月からは「POLYSICS WORLD TOUR OR DIE 2008!!!! 〜ハミ出ろ!!怒涛のワキワキ・ジャパンツアー!!!!〜」が再び始まるという相変わらずの機動力を誇るポリなのだが、とりあえず区切りの意味でのファイナルの場は、ここ新生・赤坂BLITZより。開演10分前に会場に着いたのだが2階席から見下ろす1階の光景が、もうポリならでは。オーディエンスがそれぞれ持参した蛍光色のツナギが、まるでマーブル・チョコのように散らばり、フロアをカラフルに彩っているのだ。こんなに目をチカチカさせるお客さんたち、そうそう見れない。

カリフォルニア出身のエモ・バンド、SHERWOODの前座を経て始まったライブは、いきなり一瞬の気も許せない怒涛の展開へ。ハヤシのテンションは、冒頭2曲“Iron Rocks”“Pretty Good”で既にトップ・ギア突入。ジミヘンばりに歯で弦を弾き、練習を重ねているというトランペットを吹いたり、突如、エド・はるみのモノマネを挟んだりと、とにかくオーディエンスを楽しませることに全く妥協がない。また中盤にかけて披露された、新曲“ポニーとライオン”や“機械食べちゃいました”は、アルバム発売前なのにも関わらず既に定番曲になりそうな気配だし“KI.KA.I.DA!”“KAJA KAJA GOO”などのキラー・チューンでは絶対に外さない、ライブ・バンドとしての安定感も兼ね備えている。

思うにポリのライブというのは、とにかく楽曲に「熱」を込めることが全て、なのである。ロック・バンドならそんなこと当たり前だろ!と突っ込まれてしまいそうだが、とりわけ彼らのようなサウンド・スタイルを持つバンドは、単に音源をそのままライブで再現するだけでは、どうしても「無機質」で「単調」な印象を持たれかねない。ただこのバンドは、ハヤシが放つマグマのような熱量とメンバーの巧みなアレンジ力で、こうしたネガティヴ・ポイントを完璧に克服してしまっている、非常にレアなケースなのだ。約1時間半強のライヴで2度のアンコールにこたえ、そしてラストは定番曲“BUGGIE TECHINICA”で締めくくったハヤシは今日もギターを抱えながら笑顔でぶっ倒れていた。つまりそれは、今日もまさに「OR DIE」なギリギリのライブを闘いぬき、そして勝利したということに他ならない。(洪弘基)
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