掛け値なしに、最高の体験だった。何度も鳥肌が立ったし、何度も涙腺がゆるんだ。ただ、その興奮と感動は、ブログでもチラッと書いたが、「すげえもん観ちゃった」というよりも、「すげえ場にいちゃった」ことによるものの方が大きい。
というのもですね。とにかく、お客がすごかったのだ。久々のワンマンだったせいか、CDJを除くと今年最後なせいか、下記のようなシングル曲&代表曲勢揃いの豪華極まりないセットリストだったせいか、それとも他の理由なのか、わからないが、お客、終始すげえテンション。13曲目の未発表曲を除き、もう頭っから最後までものすごいシンガロング。サビだけでなくAメロもBメロも大合唱、さらには山口が歌っていないイントロや間奏でもリズムに合わせて「オイ! オイ!」と大コール。さいたまスーパーアリーナみたいに何万人も入るとこならわかるけど、今日のこのクアトロみたいに、ソールドアウトしてもせいぜい700人か800人のハコで、マイクを通しているボーカリストの声が、フロアの大合唱にかき消される瞬間なんて、初めて観た。
もうなんか、サンボフーリガン。サンボ地下プロレス。サンボ反政府集会。新興宗教サンボ教。そんな感じだった。
いや。違う、最後のだけ。宗教ではない。宗教なら、山口教祖に対する「盲信」や「狂信」が生まれるはずだが、そういうのではない。もっと冷静でシビアな支持のしかただ。あなたがたが、音楽で表現しているイデオロギーに、私は強く賛同するものである。よって、ライブの場において、こうして強く激しく支持の念を表す。ただし、今後もし、あなたがたが間違ったイデオロギーや、ぬるい意志を表現し始めた場合、いつでも糾弾し、吊るし上げ、場合によっては粛清する用意がある──そういう「ファンだからって何でもマンセーじゃねえぞ」というのも含んだ熱狂だった。
それを最も強く感じたのは、アンコールの時。久々のワンマンだったせいか、フロアの尋常じゃない熱気がうれしかったのか、出てきても、ギターも持たず、延々とMCを続ける山口。見かねて「アンコールやりに出てきたんですから」とたしなめる近藤。山口、「あれ? あのー、もうちょっとしゃべっていいですか?」。
サンボマンセーな客なら、全員ここで「イェーイ!」となるはずだが、フロアの反応は、50%が「イェーイ!」で、あとの50%は「えー……」だった。という事実に、「ああ、ほんとにいいファンだなあ」と思った。
以下、その「えー……」を、勝手に意訳します。
えー、まだしゃべんのかよ。もういいから曲やれよ。俺らは曲聴きたくて来てんだよ。そもそもおまえ、サンボの曲が自分の曲だと勘違いしてないか? 俺は金出してCD買って、金出してこのライブに来てるんだよ。だからおまえの曲じゃなくて俺の曲なんだよ。早くやれよ、俺のすばらしい曲を。
という、ここで演奏される楽曲に対する、尋常ならざる主体性のようなものが、このお客たちのすばらしさだったと思う。
音楽的中枢の山口と、それをもりたてる近藤&木内、という構造ではない。山口がサンボマスターで、それを近藤&木内がフォローするのではない。3人が3人ともサンボマスターで、歌とギター、ベース、ドラム、と、担当楽器が違うだけ。というのが、サンボマスターというバンドのすばらしいところだと、僕は思っているのだが、この日は3人だけじゃなくて、ここに集まった700人だか800人だかの全員が、サンボマスターに見えた。(兵庫慎司)
1.夜汽車でやってきたアイツ
2.青春のベル鳴りっぱなし
3.ひかりひとしずく
4.歌声よおこれ
5. very special!!
6.愛することのすべて
7.これで自由になったのだ
8.愛しき日々
9.週末ソウル
10.愛しさと心の壁
11.美しき人間の日々
12.二人ぼっちの世界
13.未発表曲
14.そのぬくもりに用がある
15.I Love You
16.世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
17.青春狂騒曲
18.手紙
19. 新しい朝
20.光のロック
アンコール
21.ふたり
22.さよならベイビー