とはいえ、ブリトニーがライブ活動やパフォーマンスから遠ざかっていたというわけではない。
2013年からはラスべガスで定期公演を4年にわたって続けおり、基本的にはその内容を世界に引っ提げていくというのが今回のツアーの内容なのだ。
そして、ライブはまさにラスべガスで好評を博し続けたそんな今回のショーの内容を見せつけるものとなっていた。
ライブは、2013年のウィル・アイ・アムとのコラボレーション“Work Bitch”で幕を開けた。
大歓声の中、ラップ的なボーカルと10名を越えるダンス・チームとの完璧な振り付けでもって、どこまでもショー・アップされたパフォーマンスをこれから披露していくという気合いのほどを見せつけるオープニングとなった。
そこへ暗転して、黒マントを使ったダンサーらのパフォーマンスが続いた後、ブリトニーが冒頭のゴールドのボディスーツからピンク色のボディスーツへと衣裳変えして登場、デビュー曲“…Baby One More Time”と“Oops!…I Did It Again”を披露する。
これがドラキュラ映画的な暗い、黒と赤を基調としたゴシックな演出の中でのパフォーマンスとなっていて、このショー・アップ感がラスべガス公演を経た今回のパフォーマンスの肝なのかと納得させられた。
その後も舞台転換に続いて今度は黒のボディスーツに着替えたブリトニーがどこまでもラップ的な“Me Against the Music”を披露。
そしてダンス・チューンでありながらコーラスで目一杯歌い上げる“Gimme More”を繰り出し、さらにまた別な舞台転換に入るという具合で、目まぐるしく舞台設定とテーマが移り変わっていく。
ただ、個人的にはその前のクラブ・モードのセットで披露された“I’m a Slave 4 U”や“Freakshow”などが一番エッジに溢れていて、今回のライブ中、最もブリトニーらしい瞬間であるように思えて圧巻だった。
その後はエンディングのジャングルの中という設定でのパフォーマンスとなったが、“Stronger”と“(You Drive Me) Crazy"のパフォーマンスがやはり格別によかった。
最後はマックス・マーティンとの“Till the World Ends”で見事な締め括りを迎えることとなったが、ライブを通して大歓声や声掛けがやまないのがとても印象的だった。