「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - POLYSICS Photo by 河本悠貴POLYSICS Photo by 河本悠貴
下北沢に拠点を構えるレーベル/プロダクション・UK.PROJECT主催のイベント「UKFC on the Road 2017」が、8月16日に新木場 STUDIO COASTで開催された。夏の恒例イベントとなりつつある同イベントも今年で7回目。所属や経歴など関係なく、どのアーティストも「このレーベルは家族みたいだ」と口を揃える絆の強さを感じたのはもちろん、「ここは実家みたいなものだし、好き放題やっても大丈夫でしょ!」と言わんばかりのやんちゃさとパワー溢れるアクトの連続に休む間もなく楽しませてもらった。当記事ではそんな活気溢れたイベントを振り返っていこうと思う。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - aint Photo by 古溪一道aint Photo by 古溪一道
「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - the equal lights Photo by 古溪一道the equal lights Photo by 古溪一道
「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - teto Photo by 古溪一道teto Photo by 古溪一道
会場に入ってすぐ右手に設けられたGATE STAGEでは、新進気鋭のバンドが渾身のアクトを繰り広げていた。イベント出演を懸けたオーディションで優勝し、女声/男声の美しいバランスを武器に変拍子を巧みに操るaint、澄んだ声と繊細かつ叙情的なサウンドで行き交う人の足を止めていたthe equal lights、制御不能の溢れ狂う感情を弾丸のようなサウンドで撃ち尽くすteto。激情と美の共鳴に息を飲むアクトを繰り出したpolly 、そしてラストはファンキッシュでダンサブルな楽曲で心地良いグルーヴを生み出していたSPiCYSOLがステージをしっかりと締めていた。
「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - polly Photo by 古溪一道polly Photo by 古溪一道
「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - SPiCYSOL Photo by 古溪一道SPiCYSOL Photo by 古溪一道
会場では、メインステージである「FRONTIER STAGE」とサブ・ステージ「FUTURE STAGE」にて、交互にアクトが繰り広げられていた。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - Helsinki Lambda Club Photo by ヤマダマサヒロHelsinki Lambda Club Photo by ヤマダマサヒロ
FUTURE STAGEのトップバッターを務めたのは、Helsinki Lambda Club!ユルすぎず激しすぎずの絶妙なバランスで会場を踊らせたかと思いきや、いきなりメリハリの効いたサイケデリックチューン“メサイアのビーチ”や“宵山ミラーボール”を投下するなど、天真爛漫なステージングで会場の温度をぐっと上げていた。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - BIGMAMA Photo by 高田梓BIGMAMA Photo by 高田梓
そしてFRONTIER STAGEのトップを務めたのは、今年11年目を迎え、自身初の日本武道館公演を間近に控えているBIGMAMA! ハンドクラップに迎えられてメンバーが堂々とステージに現れ、果たして1曲目は?という期待感に息を飲む会場に響いたのは“ダイヤモンドリング”の伸びやかで明るいサウンドだった。まさかこの曲をトップに持ってくるとは!とその意外性にも驚いたが、後にプレイされた“ファビュラ・フィビュラ”の壮大さには否応なしに鳥肌が立った。堂々と前を見据えて歌う金井政人(Vo・G)と、その声に呼応するように拳を突き上げ吠えるオーディエンスが作る光景には「民衆を牽引する皇帝の姿」を重ねざるを得なかった。ライブハウスという空間をさらに別世界へトリップさせる彼らの絶対的世界観に、ラストの“MUTOPIA”に至るまで終始魅せられたアクトだった。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - odol Photo by ヤマダマサヒロodol Photo by ヤマダマサヒロ
青い照明に照らされながら“狭い部屋”をプレイし、良い意味でオーディエンスを置き去りにする独特の空気を作りだしたodol。3年目のUKFCではあるものの新体制での出演は初という話から、9月20日リリースの1stEP『視線』のリード曲“GREEN”を披露し、会場に心地良い音の圧をかけていた。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - 04 Limited Sazabys Photo by 高田梓04 Limited Sazabys Photo by 高田梓
そして今回、ゲストバンドとして出演を果たした04 Limited Sazabys! 「皆さんのテンションをもう一段階上げに来ました!」とGEN(Vo・B)が叫ぶと、そのまま“Warp”、“drops”を勢いよくプレイ! ゲストとはいえ「人の畑荒らして帰ろうと思います」と挑発したり、[Alexandros]の“ワタリドリ”のイントロをプレイして大歓声を巻き起こしつつも「やるわけないだろ! 人の曲だぞ!? 俺と洋平さんの身長差考えろよ!」と笑わせたりと、しっかりと自分たちの持ち味を活かしたアクトを繰り広げた。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - PELICAN FANCLUB Photo by 河本悠貴PELICAN FANCLUB Photo by 河本悠貴
「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - TOTALFAT Photo by ヤマダマサヒロTOTALFAT Photo by ヤマダマサヒロ
エンドウアンリ(Vo・G)の声が気持ち良く吹き抜け、まるで白昼夢を見ているかのような浮遊感とピリッとした歌詞のバランスが癖になるPELICAN FANCLUBのアクトに夢見心地になっていると、そんな気分を吹き飛ばすかのように「お祭り隊長・TOTALFATです!」とTOTALFATが登場! 「何を始める?」というフリから“夏のトカゲ”、さらに“PARTY PARTY”を連続でぶち込み、会場の温度を爆上げした。さらに“晴天”ではBIGMAMAの金井と東出真緒(Violin)、“Good Fight & Promise You”では04 Limited SazabysのGENをゲストに迎えてプレイするという豪華なラインナップで、会場を夏らしい熱い空間に仕立て上げた。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - ウソツキ Photo by 河本悠貴ウソツキ Photo by 河本悠貴
「あなたに夢を見せにきました!」との竹田昌和(Vo・G)の宣言通り、途中演奏が止まるハプニングこそあれど持ち前の明るさで乗り越えつつ、終始ポップなサウンドで会場を笑顔で満たしたウソツキ。会場一体となった手振りで楽しませた“旗揚げ運動”や、ここで演らずにどこで演る?と言わざるを得ない“新木場発、銀河鉄道”を堂々とプレイした。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - NICO Touches the Walls Photo by 高田梓NICO Touches the Walls Photo by 高田梓
そして、フォーリミに続きゲストバンドとして迎えられたNICO Touches the Walls! 一発目に掻き鳴らされたカントリーナンバー“THE BUNGY”で光村龍哉(Vo・G)の圧倒的歌唱力に面食らったのも束の間([Alexandros]の川上洋平(Vo・G)も、この後の自身のアクト中に光村の歌の上手さを絶賛していた)、“手をたたけ”、“夏の大三角形”とキラーチューンを連発! メロに含まれる爽快感や切なさはしっかりと活かしつつも強靭なグルーヴを生み出している彼らは、ロックバンドでありライブバンドだと心底思った。そんな彼らの音楽に多くの人が魅了されるのは必然だと、ラストの“天地ガエシ”で会場一面に広がったハンズアップが証明していた。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - フレンズ Photo by ヤマダマサヒロフレンズ Photo by ヤマダマサヒロ
「東京都渋谷区神泉から来ました、フレンズでーす!」とのひろせひろせ(Key)の明るい自己紹介と“ビビビ”から始まったフレンズ! UK.PROJECTに所属していたthe telephonesのメンバーでもある長島涼平(B)は、「UKFCのみんな! DISCO!」とテレフォンズ特有の挨拶をして会場を沸かしつつ、上がったテンションを受け継ぎながら“夏のSAYにしてゴメンネ♡”、そして会場一体となった振付で盛り上がった“塩と砂糖”をプレイ。さらにラストの“Love,ya!”ではthe telephoneslovefilmのメンバーである石毛輝(Vo・G・Programming)と岡本伸明(B・Synthesizer)が乱入! ただでさえ超ポップでハッピーなフレンズのライブが更なる盛り上がりを見せた瞬間だった。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - [Alexandros] Photo by 河本悠貴[Alexandros] Photo by 河本悠貴
そして特大の歓声に迎えられ登場した[Alexandros]は、SEの“Buger Queen”を生演奏に切り替えた後に“ワタリドリ”のイントロを奏で出した……かと思いきや、まさかの“Kill Me If You Can”へと仕切り直し! そんな彼ららしい意表の突き方に思わずニヤリとしてしまったが、“Stimulator”、“Kaiju”と強気なアッパーチューンの連続で余韻に浸る間は一秒もなかった。さらに次曲“city”では間奏中にBIGMAMAの“かくれんぼ”のワンフレーズを歌ったり、ライブの終盤で改めてプレイされた“ワタリドリ”のイントロを聴いて油断しきっていたら「やるわけねえだろばかやろう!」と叫んで“Kick&Spin”をプレイしたり(自分たちの、しかも同じ曲を二度も前振りに使う辺りが流石だ)、さらに勢いでマイクスタンドを倒すなどやりたい放題! 今や幕張メッセを満員にし、壮大なロックチューンで聴者を圧倒する彼らだが、UKFCというイベントではまるで初心に返ったかのように自由に遊んでいたし、その奔放な4人の姿にこちらも胸が高鳴った。[Alexandros]のそんな初心と、「プレゼントを持ってきました!」と言って披露された新曲から感じた更なる成長――その両面を堪能できたアクトだった。(去り際に川上がアコギで“ワタリドリ”のサビをようやく歌ってくれたので、「三度目の正直!」と嬉しくなった)

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - lovefilm Photo by 高田梓lovefilm Photo by 高田梓
FUTURE STAGEのトリを務めたlovefilmは、浮遊感漂う“Haruka”からスタート。スペーシーな“Amamori”と続き、石毛輝が「UKFC楽しんでいきましょう!」と挨拶すると、新曲を披露。バンドの名前にあるように、まるで昔撮った思い出のフィルム写真を見返しているかのような懐かしさと切なさを感じる彼らのサウンドは、珠玉のアクトが続き火照った身体をゆっくりと冷ましてくれた。そして「久々に4人揃ってのステージです」と喜びを伝え、活動休止中のthe telephonesの話にも触れつつ、石毛は「ここに帰ってこれて嬉しいです」と素直に心境を語った。そんな彼らを「おかえり」と温かく迎えるように、ラストの“Hours”が鳴り終わった後には会場から大きな拍手が響いた。

「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - POLYSICS Photo by 河本悠貴POLYSICS Photo by 河本悠貴
そしてFRONTIER STAGEにてイベントの大トリを託されたのは、今年結成20周年を迎えたPOLYSICS! 黄色いつなぎを着たハヤシ(Vo・G・Synthesizer・Programming)、フミ(B・Vo・Synthesizer)、ヤノ(Dr・Vo)の3人は、初っ端からアクセル全開で“SUN ELECTRIC”、“Let’s ダバダバ”を猛攻! さらに畳みかけるように“Digital Coffee”、“Funny Attitude”の低音ゴリゴリのロックチューンをプレイし、長丁場のイベントで体力も限界に近いであろうオーディエンスもアドレナリン全開の様子で踊り狂っていた。POLYSICS特有の挨拶「トイス!」の合唱をふまえつつイベントのトリを任された喜びを語ったハヤシは、「(ライブで)あんまりやらない曲」と紹介し“MAKING SENSE”をプレイ。独特の振りが目にも楽しい“シーラカンス イズ アンドロイド”や、ずっしりと重く響くベースラインが痺れるダンスチューン“Tune Up!”、ラストには《よけられない 終わらない キミのシャウト!》との歌詞の如く、放たれるビートがまるで弾丸のように襲い掛かる爆速チューン“Shout Aloud!”を投下した。アンコール時にハヤシが「UK.PROJECTとは18、19の頃からの付き合いなのよ。だから今日出演したアーティストが家族だっていうのもあるんだけど、家族以上に濃い付き合いなんです」とレーベルとの歴史を語った。この日のPOLYSICSのライブが「楽しかった」以上に「グッときた」所以はまさにそこにあって、彼らが紆余曲折ありながらも20年という長い間スタンスを曲げずに歩んでこれたのは、そういった家族以上に親密な関係にある人たちが傍にいてくれたからだという感謝の想いがアクトに満ち溢れていたからだろう。その積年の想いはアンコールに演奏された“Baby BIAS”、“Electric Surfin’ Go Go”、“Buggie Technica”にもしっかりと滲んでおり、バンド、オーディエンスともに全身全霊で音楽を楽しみ、これ以上ない完全燃焼状態で幕を閉じた。(峯岸利恵)
「UKFC on the Road 2017」/新木場STUDIO COAST - POLYSICS Photo by 河本悠貴POLYSICS Photo by 河本悠貴


●セットリスト

【FRONTIER STAGE】

BIGMAMA
1.ダイヤモンドリング
2.ヒーローインタビュー
3.春は風のように
4.ファビュラ・フィビュラ
5.荒狂曲 "シンセカイ"
6.BLINKSTONEの真実を
7.神様も言う通りに
8.MUTOPIA

04 Limited Sazabys
1.Warp
2.drops
3.Chicken race
4.monolith
5.fiction
6.escape
7.Terminal
8.swim

TOTALFAT
1.夏のトカゲ
2.PARTY PARTY
3.Delight!!
4.晴天(feat. BIGMAMA 金井政人、東出真緒)
5.Good Fight & Promise You(feat. 04 Limited Sazabys GEN)
6.ONE FOR THE DREAMS
7.Place to Try

NICO Touches the Walls
1.THE BUNGY
2.手をたたけ
3.夏の大三角形
4.マシ・マシ
5.MOROHA IROHA
6.天地ガエシ

[Alexandros]
1.Kill Me If You Can
2.Stimulator
3.Kaiju
4.city
5.Kick&Spin
6.新曲

POLYSICS
1.Introduction!
2.SUN ELECTRIC
3.Let’s ダバダバ
4.Digital Coffee
5.Funny Attitude
6.MAKING SENSE
7.Young OH! OH!
8.シーラカンス イズ アンドロイド
9.Tune Up!
10.URGE ON!!
11.Shout Aloud!
EN1.Baby BIAS
EN2.Electric Surfin’ Go Go
EN3.Buggie Technica

【FUTURE STAGE】

Helsinki Lambda Club
1.Skin
2.ユアンと踊れ
3.King Of The White Chip
4.メサイアのビーチ
5.Lost in the Supermarket
6.This is a pen.
7.宵山ミラーボール

odol
1.狭い部屋
2.君は、笑う(2017)
3.逃げてしまおう
4.GREEN
5.生活

PELICAN FANCLUB
1.深呼吸
2.Night Diver
3.許されない冗談
4.Dali
5.記憶について

ウソツキ
1.夢のレシピ
2.コンプレクスにキスをして
3.旗揚げ運動
4.一生分のラブレター
5.新木場発、銀河鉄道

フレンズ
1.ビビビ
2.夜にダンス
3.夏のSAYにしてゴメンネ♡
4.塩と砂糖
5.Love,ya!

lovefilm
1.Haruka
2.Amamori
3.新曲
4.Kiss
5.Hours

【GATE STAGE】

aint
1.君のこと
2.アカシ
3.明日が来るまで
4.Alnitia
5.hello

the equal lights
1.Dear friend
2.ファンファーレ
3.STORYWRITER
4.Yellow
5.Alche(mist)

teto
1.PainPainPain
2.this is
3.36.4
4.teen age
5.暖かい都会から
6.高層ビルと人工衛星
7.朝焼け

polly
1.沈めてくれたら
2.シシィ
3.狂おしい
4.花束
5.刹那

SPiCYSOL
1.EXA SCALE
2.Sex On Fire
3.WDTA(Shut Up)
4.Honey Flavor
5.Room45 ft.Shun(TOTALFAT)


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