アット・ザ・ドライヴ・イン @ Zepp Tokyo

アット・ザ・ドライヴ・イン @ Zepp Tokyo - Photo by Ray OtabePhoto by Ray Otabe

直前の週末には「ライオット・フェスト」に出演していたアット・ザ・ドライヴ・イン。はるばるシカゴから日本に到着したのは前日の夜だという。さぞ長旅で疲れてるのではないかと思いきや、ライブ当日の昼間に会ったギタリストのオマー・ロドリゲス・ロペスは一切そんな様子もなく、「旅は楽しかったよ〜」「ミラクル・オブ・フライト!」なんて、いつもの調子で話す。そして実際、その夜の東京公演は、オープニングの瞬間からラストまで、彼らでなければありえない強烈なテンションでブッ飛ばしまくりの内容だった。

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バンドが再結成したのは2012年で、同年にはフジロックに出演、さらに昨年はサマーソニックにも登場している。しかし、なんといっても今回は、復活後初アルバムとなる最新作『IN·TER A·LI·A』を完成させたうえでの、17年ぶりの単独来日公演ということで、つめかけたオーディエンスの期待と興奮はやはり並のものではない。フェスには行けなかったり、解散後にその存在を知ったりなどの諸事情で、もはや伝説化していた彼らのライブを見たことがないという観客も少なくなかったのではないだろうか。

1曲目は『リレーションシップ・オブ・コマンド』の冒頭を飾る”Arcarsenal”。たとえリリースから17年を経ても、とことん脳髄へ刻み込まれたであろうイントロダクションが大音量で再現された瞬間、全身に電流が走ったような反応を見せ、大歓声をあげるオーディエンスのうねりもまた圧巻だった。以降、最新作と17年前の前作からの曲が交互に繰り出されてくるようなセットリストが組まれており、両者の間にまったくギャップが感じられないことにもあらためて驚愕する。

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同時に、この間の歳月にメンバー各自が積み重ねてきたキャリアが一切反映されていないかといったら、決してそんなことはなく、たとえば”Invalid Litter Dept.”〜”Enfilade”と続けて演奏した際インタープレイ的に展開するところなどは「マーズ・ヴォルタ以降」の空気も漂った。充実した出来栄えのスタジオ・アルバム以上に今回のライブは、単なる過去の再現に終わっていない現在進行形の彼らを感じさせた。

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再結成後も、2013年にはオマーとセドリック・ビクスラー・ザヴァラの間でトラブルがあり、翌年にはトニー・ハジャーとポール・ヒノジョスが離脱する状況があったという。そして現在、オリジナル・メンバーのジム・ワードは不在だ。そうした困難を乗り越えて、ようやくここまで漕ぎ着けた事実が逆に、金のため割り切ったようなものではない、今のアット・ザ・ドライヴ・インの特別さをそのまま証明している。

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アンコールで必殺曲”One Armed Scissor”を演奏する前、「日本語が話せなくて申し訳ない」と前置きしながら、丁寧にオーディエンスへ感謝の気持ちを伝える(この日、唯一のMCらしいMC)セドリックと、ショウが終わればさっさとギターを置いて舞台を去るオマーでは、それぞれのバンドに向き合う気持ちは必ずしも完全にシンクロはしていないのかもしれないと思ったりもする。しかし、家族以上に深いメンバー間の絆は、そうした細かい差異を超えた次元で圧倒的な何かを確かに現出させていた。

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間にオフ日を挟んだ大阪公演・名古屋公演は、さらに凄まじいものになりそうな予感がするので、ぜひ足を運んでほしい。(鈴木喜之)

〈SET LIST〉
1. Arcarsenal
2. No Wolf Like The Present
3. Pattern Against User
4. Continuum
5. Cosmonaut
6. 198d
7. Hostage Stamps
8. Sleepwalk Capsules
9. Call Broken Arrow
10. Invalid Litter Dept.
11. Enfilade
12. Pendulum In A Peasant Dress
13. Napoleon Solo
14. Governed By Contagions
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15. One Armed Scissor


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