SILENT SIREN/日本武道館

SILENT SIREN/日本武道館 - All photo by HAJIME KAMIIISAKAAll photo by HAJIME KAMIIISAKA

●セットリスト
1.フジヤマディスコ
2.吉田さん
3.BANG!BANG!BANG!
4.八月の夜
5.What Show is it?
6.爽快ロック
7.女子校戦争
8.Love Balloon
9.あわあわ
10.ぐるぐるワンダーランド
11.フユメグ
12.AKANE
13.ジャストミート
14.Kaleidoscope
15.DanceMusiQ
16.チェリボム
17.シンドバッド
(アンコール)
EN1.パパヤパヤパ(新曲)
EN2.ビーサン


「みんなで奇跡を起こす夜にしたいと思います」(すぅ/吉田菫(Vo・G))。「5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR 2017 『新世界』」、全26本におよぶツアーのうち、「〜奇跡〜」と銘打たれた最終公演が日本武道館にて開催された。11月14日、メジャーデビュー5周年記念日に行われたこのライブは、SILENT SIRENが歩んできた足跡をくっきりと浮かび上がらせ、同時に未来を切り開く意志と決意さえ証明する最高の一夜だった。
SILENT SIREN/日本武道館
照明が落ち、本公演の設定と意義を説明するナレーションが終了したその瞬間、ステージ正面の幕に腕を組んだ4人の影が映し出される。どわっと沸き起こる大歓声。幕が開き、海軍をイメージしたという(背中に「正義」と入れたかったそう(笑))白の衣装に身を包んだメンバーは定位置へ。口火を切ったのは躍動的なすぅのカッティングギターだった。そこにあいにゃん(山内あいな(B))の猛烈スラップベース、ひなんちゅ(梅村妃奈子(Dr))のしなやかなドラム、ゆかるん(黒坂優香子(Key))の煌びやかなシンセサイザーが加わる。“フジヤマディスコ”による幕開けだ。BPMに頼らず音符の抜き差しで疾走感を生み出すこと、持ち味のハイトーンではなく落ち着いたキーで歌の高揚感を煽ること。バンド名の表記変更、およびレーベル移籍後の2017年、新しい彼女たちの志を音楽的にも象徴する1曲でロケットスタートを決めたが、彼女たちのギアはグングン加速していく。
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Oiコールのパワーを丸ごと飲み込むようなどっしりとした、それでいて軽快なドラミングが冴えた“吉田さん”、ゆかるんがピストルを撃ち抜くポーズを決め、ソロコーナーであいにゃんが超絶フレーズを座り込みながらぶちかまして最後に投げキス、すぅも生々しいロックギターを爆発させピックスクラッチを決めてから投げキス、と演奏力もキュートで魅力も全開な“BANG!BANG!BANG!”。ハンドクラップによる一体感が爽快だったすぅ作詞作曲の“八月の夜”を経て、MCタイム。

「暴れる準備はできてるよね? はじけていきましょ〜!」とゆかるんが語る間、すぅは何やらギターをいじっている。「ピンクのギターを使おうと思ったけどこっちにしま〜す!」と、それまで弾いていたエンセナダ・ファクトリーFSRのジャズマスターから、おそらくヘッドストックに「Sumile」と刻印されたESPのオリジナルモデルへチェンジ。図太いトーンで“What Show is it?”、ミクスチャー風セッションを挟み“爽快ロック”、“女子校戦争”と駆け抜ける。いつも思うけれど、すぅがソロを弾く時のクールなドヤ顔というか澄まし顔って、すごくいい。

ここでひなんちゅ仕切りのサイサイコーナー、罰ゲームをかけたガチンコ勝負に突入。今回は「世界の果てまでイッテS! 珍獣ハンターサイサイ! 巨大ワニと対決!」とのこと。最終的にまたまたすぅと、初めてあいにゃんが罰を受けることに。「まあ罰ゲームのことなら任せなよ」と半ばやけっぱちのすぅ、茫然自失のあいにゃん。こういうことも当たり前にやっちゃうサイサイのライブはほんとに楽しい。
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すぅが65年スタイルの白ジャズマスに持ち替えたところで再び演奏へ。“Love Balloon”でハート型の風船が舞い、“あわあわ”で一般募集したあわあわダンサーズがオンステージ。とびきりの笑顔を浮かべたゆかるんと一緒にうきうき踊っている。いや、よく見るとクロちゃん(安田大サーカス)の姿も! メンバーも知らないサプライズ登場だったよう。次の“ぐるぐるワンダーランド”では観客全員のタオル旋風がハッピーな風を運んでいた。一転、じんわりしっとりモードに切り替わり、胸キュンナンバー“フユメグ”、こちらも事前に募集していたお客さんの大切な人との写真がスクリーンに映し出された“AKANE”。「5周年ということですごい会議をして決めた曲に対してそれぞれ演出を考えて」と心からの手応えを語るひなんちゅ。さらにすぅは12月に発売を控えながら絶賛レコーディング中だというアルバム『GIRLS POWER』について、「最高よ。『S』がマジで最高すぎて、それがライバルみたいな気持ちになっちゃって。どうにか超えたいと思ってて。シングルもキャッチーだし、アルバム曲も攻め尽くしてるんじゃないかと思いますね。ずっと聴いてほしいアルバムになってます!」と自信を覗かせた。
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ピンクのジャズマスが復活し(途中テレキャスター・シンラインも使用)、再びアグレッシブな展開へ。バンドの推進力がオーディエンスを快楽の向こう側へ連れていった“ジャストミート”、バキバキのキメと切なく開放的なメロディがロックのカタルシスを体現し、天井に投影される映像が武道館を万華鏡に変えた“Kaleidoscope”。対して“DanceMusiQ”ではミラーボールが回りダンスフロアへ変貌、“チェリボム”では数え切れないさくらんぼポーズが花開いた。

曲が終わると一瞬の沈黙が訪れ、辺りは真っ暗、センターステージにひとり立つすぅにピンスポットが当てられる。「最近はSNSでみんなからのリプライを見て元気をもらっています。毎日仕事が辛かったけどサイサイのおかげでがんばれますとか。そうやって私たちの音楽がみんなを楽しい気持ちにしたりとか、辛いことを吹き飛ばしてるんだったら、音楽をやっててよかったと、みんなに気づかされます」、「今回なぜ『新世界』というタイトルにしたかというと、人生って旅みたいなもので。何があるかわからなくて、すごく悩むことも悲しいこともムカついちゃうこともあるけど、雨が降ったら虹がかかるようにさ、悪いこともいいことも順々にやってくるんじゃないかなって。でもそれってひとりだと絶対に乗り越えられなくて。だから私は、どうしようもない時もあるけど、みんなを引っ張っていけるように、みんなを超絶いいところまで連れていけるように、しっかりと前を向いてこれからもバンドをやっていきたいと思っています」と宣言した。

SILENT SIREN/日本武道館
本編ラストは“シンドバッド”。ステージにはいつの間にか船首が取り付けられている。ようやく完成したサイサイ号の上で、全身全霊を歌と音に込める4人。そして何度も何度も沸き起こる会場全体の大合唱。それは刹那を永遠に感じてしまうような、彼女たちの5年間に想いを馳せ、未来への決意に胸をぎゅっと締め付けられてしまうような、一生忘れられない時間となった。大団円を超えて迎えたアンコール、まずは“パパヤパヤパ”が披露される。サンバ調のアレンジと明るいメッセージが心を晴れ模様にしてくれる素晴らしい曲だ。そして本当の締めくくりは“ビーサン”。大興奮と大熱狂で、万感のツアーファイナルはフィナーレを迎えたのだった。メンバーが姿を消したあと、スクリーンに最後のお楽しみが映し出される。直筆の手紙だ。そこには「待ってろ10周年」と記されていた。さらに来年3月から全国ツアーを開催することも発表。旅は終わらない。彼女たちはまだまだここから誰も見たことがない景色を描いていくことだろう。(秋摩竜太郎)

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