●セットリスト
SE:We are go!
1.サクラサク
2.ヒンキーディンキーパーティークルー
3.ニューゲーム
4.FUZZ LOVE
5.ラッキースター
6.ストレンジャー
7.Ready Steady go!go!
8.パペット
9.グッドドギー
10.サウンドエスケープ
11.平成ペイン
12.デッドマンズチェイス
13.エマ
14.バイバイカラー
15.カウンターアクション
16.マジック
17.おはようカルチャー
(アンコール)
EN1.ナイトピクニック
EN2.アクロス ザ ユニバーシティ
EN3.ホラーショー
EN4.ギフト
「『FOOLs』ツアー25本回ってきましたよ! 今日も今までと変わらず、どこよりもバカで行きたいと思いますので! 東京のみなさんもバカになってくれよ!」
12月とは思えないほどの熱気に沸き返るZepp Tokyoのフロアが、牧達弥(Vo・G)のコールでさらなる多幸感に満ちあふれていく。ロックンロールの開放感を4人の闘争精神で無限増幅したような、歓喜の理想郷と呼びたいくらいのライブ空間がそこにはあった。
アルバムのオープニングナンバーでもある“We are go!”が開演SEとして流れると、瞬時にクライマックス級の熱量とクラップ巻き起こるフロアを、バニラズは“サクラサク”の疾走ロックンロールで怒濤の高揚感で包み込み、“ヒンキーディンキーパーティークルー”でジェットセイヤ(Dr)が勢い余って立ち上がりながら繰り出す荒馬ロデオ的なビート感、さらに“ニューゲーム”で4人一丸となって描き出すでっかい躍動感が、満場のオーディエンスをクラップとジャンプの渦へと叩き込み、会場を激しく揺さぶっていく。
牧達弥/長谷川プリティ敬祐(B)/ジェットセイヤ/柳沢進太郎(G)の4人それぞれが強烈な推進力を持ったエンジンとなって叩き出す、獰猛で誠実なロックンロールの爆走感。「かかってこいや!」のコールとともに柳沢のボーカルが炸裂した“ストレンジャー”など、本編17曲の大半を、“ラッキースター”(アルバム『FOOLs』の楽曲)や“Ready Steady go!go!”(シングル『平成ペイン』カップリング曲)といった最新モードの楽曲群で構成した選曲。そして、ライブの随所で空間を彩っていたレーザー光線、さらに“サウンドエスケープ”でのスモーク&シャボン玉の特効など、観る者すべてをリミッター外れた多幸感へと導く演出の数々――。
それらすべてが渾然一体となって、バニラズ自身が「バカ」という言葉で掲げた「日常をドライブさせる『常軌を逸した楽しさ』」を実現していた。
“デッドマンズチェイス”では長谷川→牧→セイヤ→柳沢とボーカルをリレーしつつ、牧がフロア最前列のオーディエンスに身を委ねながらギターソロを展開、さらにFIRE HORNSと8人のダンサーとともに突入した“エマ”で会場一面のジャンプの輪を描き出す。
“バイバイカラー”、“カウンターアクション”、“マジック”と歴代ロックンロールアンセムを畳み掛けた終盤の流れが、スリリングなくらいに痛快に、観客のエモーションを日常の足枷から解き放つかのような爆発力をもって響いていった。
そんな牧の万感の言葉とともに、本編の最後を飾ったナンバーは“おはようカルチャー”。フロア一丸となって♪オーオーオー と力いっぱい突き上げるシンガロングが、バニラズとオーディエンスの信頼関係を証明するかのように強く、高らかに広がっていった。
2018年の対バンツアー「FOOLs Tour 2018~音楽馬鹿達と春のナイトピクニック~」は全11公演(初日の沖縄公演のみワンマン)。彼らがリスペクトをこめて「生粋のバカヤロウたち」と呼んでいたゲストアクトの発表も、2018年のさらなるバニラズ快進撃も、今から楽しみで仕方がない。(高橋智樹)
終演後ブログ