X JAPAN/Zepp DiverCity

X JAPAN/Zepp DiverCity

●セットリスト
1.MIRACLE(INTRO)
2.JADE
3.RUSTY NAIL
4.KISS THE SKY
5.I.V.
6.GUITAR SOLO
7.DRAIN
8.VIOLIN SOLO
9.BENEATH THE SKIN
10.FOREVER LOVE
11.PIANO SOLO
12.ART OF LIFE
13.紅
(ENCORE)
14.WORLD ANTHEM
15.ENDLESS RAIN
16.BORN TO BE FREE
17.X
18.TEARS (OUTRO)


「こうやってステージに戻ってこれるとは夢にも思ってなくて、『ドラマーとしての生命は終わったのかな』と思って。歩けて、普通の生活ができれば、自分はもう悔いはないのかな?って考えてたんだけど――」。そんな言葉で己の胸中を赤裸々に伝えていたYOSHIKI(Dr・Piano)が、「考えれば考えるほど悔いだらけで。まだ、やらなきゃいけないことがたくさんあって……」と万感の想いに抑え難く声を震わせる姿に、Zepp DiverCity一面の大歓声を巻き起こしていく――。

X JAPANにとっては約10年ぶりのライブハウス公演となる今回のZepp DiverCity 2DAYS公演「復活10周年記念 X JAPAN LIVE 2018 アメリカフェス出演直前PREMIUM GIGS 〜YOSHIKI 復活の夜〜」。
米カリフォルニアにて開催される「コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル」出演を目前に控えた前夜祭的なライブである今回のステージは同時に、昨年5月に頚椎人工椎間板置換手術を受けたYOSHIKIにとって、昨年大晦日の『NHK紅白歌合戦』で“紅”ドラム演奏に続いて、手術後初めてフルセットでドラムをプレイする「復活祭」でもあった。

WOWOWでの生中継に加え、全国劇場にてライブビューイングも行われていた2日目=4月11日の公演。1日目(4月10日)に続き、この日も1時間以上遅れてのスタートとなったが、オーディエンスは特に驚いた様子もなく、それでいて「YOSHIKI復活ライブ」への一抹の緊張感も漂わせながら、刻一刻と迫る開演の瞬間を待ち侘びている――という独特の空気感の中、20時過ぎに場内が暗転。
オープニングSE“Miracle”が朗々と鳴り渡り、フロアがサイリウムのXサインで埋め尽くされたところへYOSHIKIが登場、スツールに立ち上がって胸元に両手でXサインを掲げた瞬間、Zepp DiverCityは歓喜と熱狂の嵐が轟々と吹き荒れていく。

さらにToshl(Vo)、PATA(G)、HEATH(B)、SUGIZO(G・Violin)がオンステージしたところで、いよいよYOSHIKIがスティックを手にして“Jade”の演奏へ。重厚かつ美麗なロックアンサンブル、熱気を貫くToshlのハイトーン絶唱がせめぎ合う音風景を力強くドライブさせるかのように、YOSHIKIのプレイがLED光り輝くドラムセットを激しく鳴動させて、キャパ2000人強のライブハウスをヘヴィロックの壮大な地平へと塗り替えてみせる。そして“Rusty Nail”! アップテンポのビートが会場激震の狂騒感とシンガロングを呼び起こし、終始クライマックス状態の高揚空間を生み出していった。

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クリスタル仕様のピアノへと移動したYOSHIKIがToshIとふたりで“Kiss the Sky”を披露した後、2008年の東京ドーム再始動公演にも出演したゲストギタリスト=ウェス・ボーランド(リンプ・ビズキット)が登場。トリプルギター編成で繰り広げた“I.V.”の重轟音サウンドスケープが、唯一無二のロックバンド:X JAPANの超弩級の音楽世界を改めてくっきりと浮かび上がらせていたのが印象的だった。
ウェス&PATAのギターソロを経て、ToshIの「暴れん坊将軍でいけー!」のシャウトから流れ込んだのは“DRAIN”。Toshl/PATA/HEATH編成のアンサンブルと、亡きHIDEの映像&音声が渾然一体となって、2018年の今この場所の空気を熱く震わせていく。

SUGIZOのヴァイオリンソロを挟み、“Beneath The Skin”のひときわ凄絶なヘヴィネスで会場を包み込んだところで、先ほどまでの鬼気迫るドラミングとは一転してフレンドリーな調子で「この距離感でやるのは久しぶりだよね。全員顔が見える!」とマイク片手のYOSHIKIが話し始める。「今週の土曜日に、僕らコーチェラっていうUSのフェスに行くんだけど……MCの練習も含めて、英語でしゃべっていい?」と言いつつ、「Neck Surgery」(首の手術)、「Artificial Disc Replacement」(人工椎間板置換術)といった用語も交えながら、自らの経験した手術について、満場のオーディエンスに語りかけていく。
「まだちゃんと首の骨はくっついてないんだけど……みんなの支えがあって、なんとかここに来ることができました。本当にありがとう。感謝してます」。そんなYOSHIKIの言葉に、割れんばかりの拍手喝采が沸き起こっていった。

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「コーチェラには、HIDEとTAIJIも行きます」と、この日発表されたHIDE&TAIJIのホログラム出演について触れていたYOSHIKI。さらに、ビザの取得が難航していたことが伝えられていたSUGIZOについて、「そして、なんとSUGIZOも行きます!」と告げると、フロアに歓喜の声が広がる。「さっき決まったんだよ。リハーサルやってる最中に。だから今日押したんですよ、SUGIZOのせいで(笑)」とオーディエンスを沸かせつつ、「X JAPANは、何度も何度も倒れてきたけど、みんなの力を借りて起き上がってきた。もう転びたくないけど……また転んでも、みんな支えてくれる? 俺たちも、みんなを支えるからな!」と心からの感謝を捧げ、「愛しいみんなへの感謝の気持ちをこめて……」とピアノを奏でながらToshlとふたりで披露したのは“Forever Love”だった。澄みきったピアノの音色とToshlの歌声が共鳴しながら、至福のひとときをなおも美しく彩っていった。

YOSHIKIのピアノがどこまでも流麗かつ熾烈に響いた“ART OF LIFE”に続き、本編のラストを飾った“紅”ではMUCCのミヤが参戦! マイクを掲げて歌メロを託すToshlに応えて、場内一丸の大合唱が高らかに湧き上がる。SUGIZOと向き合ってのギターバトル状態から、歓喜に任せて歯でギターの弦を弾きまくるミヤの姿が、観客の情熱をさらに激しく煽り立てていった。

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アンコール冒頭の“WORLD ANTHEM”でTAIJI、HIDE含めメンバー7人の名前がコールされ、“ENDLESS RAIN”では「HIDE 1964-1998」、「TAIJI 1966-2011」の文字が生前の映像とともにビジョンに映し出され、場内のシンガロングがよりいっそうエモーショナルな色合いを増していく。
ここでもうひとりのゲストとして、ウェスと同じく2008年のドーム公演にも出演したリチャード・フォータス(ガンズ・アンド・ローゼズ)が登場。トリプルギターのスリリングな音像が、壮麗さと疾走感を兼ね備えた“Born to be free”の世界観に圧巻のダイナミズムを与えていた。

ラストはウェス/ミヤ/リチャードのゲスト3人が加わって“X”へ! 5本のギターとYOSHIKIの激烈ドラムがせめぎ合う中、Toshlの絶唱とシャウトに導かれて一面のシンガロング&XジャンプでZepp激震! 「We are」、「X!」のコール&レスポンスに、「YOSHIKIが還ってきたぞー!」のToshlのスクリームに、絶叫にも似た大歓声が広がっていく。
今度はYOSHIKIがドラムセットを離れて「We are」、「X!」のコール&レスポンスからフロアへダイブ! 声を嗄らし叫び続けながらピアノに仰向けになり、銅羅を打ち鳴らすYOSHIKI。コール&レポスンスの最後を「You are」、「X!」で締めたToshl。HIDEの「飛べ飛べ飛べ飛べ、屋根をぶち破っちまえ!」の映像を合図に、全員で怒濤のフィナーレ! 8人で手を取り合ってのカーテンコールの後、ひとり舞台に残ったYOSHIKI。「これからも、気合い入れて行くぞ! 負けねえぞ!」とさらにオーディエンスと「We are」、「X!」の叫びを交わして「We, love, you!!!!!!」とシャウトを突き上げる姿に、そして感謝の想いとともに長々と一礼する姿に、惜しみない拍手喝采が降り注いだ。

コーチェラでは4月14日&21日の「MOJAVE STAGE」のトリを務めることが発表されたX JAPAN。世界を夢想し、世界を舞台に闘い続けてきた彼らの新たな歴史が、今また始まろうとしている――というリアルな実感が抑え難く胸に沸き上がる、最高の一夜だった。(高橋智樹)

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