MY FIRST STORY/Zepp Tokyo

MY FIRST STORY/Zepp Tokyo - All photo by Takashi "TAKA” KonumaAll photo by Takashi "TAKA” Konuma

来年1月に控えた横浜アリーナ2デイズ目掛けて、ライブハウス(計12本)+ホール(計5本)をまわるワンマンツアー「S・S・S TOUR 2018」を開催中のMY FIRST STORY。以下のテキストではその冒頭を飾ったZepp Tokyo2デイズ・2日目の模様をレポートしていくが、一部曲名を記載しているため、まだ知りたくないという人はツアー終了後に閲覧いただければと思う。とはいえ、この日のセットリストは前日と大きく異なるものだったというし、そう考えると今回のツアーは予測不可能。そのため、この記事がどれほどネタバレに繋がるのかも分からないのだが。

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「横アリを示唆させるような内容に」という意識の下で作っているたツアーなのだという話をメンバーがしていたが、まさにその言葉通りの内容。この日のライブを観て、きっと今回のツアー、肉体的にも精神的にもバンドとしてもう一回りタフになるためのツアーなのではと思った。その証拠として、まず、ライブの始まり方からしてなかなか挑戦的だったのだ。もはやアリーナ規模の会場でさえもダイナミックに鳴らすことのできるHiro(Vo)、Teru(G)、Nob(B)、Kid'z(Dr)のサウンドは、ライブハウスでもそのスケールを保ったままであるためかなり刺激的。「楽しむ準備はできてるか、Zepp Tokyoー!」とHiroが投げかけるまでもなく序盤からオーディエンスも熱狂。みんな一斉にヘドバンするものだから、2階席からフロアを見てみると、まるで波打つ大海原みたいになっている。

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先述のように、この日のセットリストは前日とはかなり違っていて、「昨日『この曲やってくれた! マイファス一生ついてく!』って思った子は、今日ついてこれないわけで(笑)」とHiroが言うほど。そんな選曲はファンからしたら垂涎もので、演奏が始まる度にかなり大きな歓声が起こっていた。ハイライトはたくさんあったが、特に“ACCIDENT”(前日に発売されたシングル『ACCIDENT』の表題曲)。マイファス流ダンスミュージックと言うべきサウンドメイキングは明らかに新境地である。しかしストイックな演奏時に対して、MCは和気あいあいとした雰囲気。Kid'zがひたすらいじられ、Hiroが“Last Call”で歌詞が飛んでしまったことを明かしたあと、「次は大丈夫。でもこのあとが自信なくって……俺がマイク向いたらそういうことなので歌ってください(笑)」(Hiro)と後半戦へ突入したのだった。

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演奏時でもMC時でも、メンバー間の風通しのよさも読み取れる場面がいくつかあったし、彼らはオーディエンスとも親密な関係性を築けているようだった。だからこそしっかり伝える必要があったのだろう。途中にはHiroが、今自分たちが音楽を鳴らす意味について改めて言及した。「お前はお前でいろ」、「自分自身の存在証明をしてみろ」というメッセージとともに明かされたのは、かつての自分のように、自信を持てない人に向けて今は歌っているのだということ。それを踏まえると、シングル『ACCIDENT』収録曲がどれも「孤独」をテーマにした曲であったこともかなりしっくりくる。マイファスの曲には「孤独」について歌ったものがたくさんある。それでももう一度そこに回帰したのは、彼らにとって「孤独」を歌う理由が変わってきたからで、だからこそ、今回のツアーでは日ごとにセットリストを大きく変え、できるだけ多くの曲と対峙しようとしたのではないだろうか。「こうやって昔の曲をやるといろいろなことを思い出すんだよ。いろいろな傷を思い出す。それを恥ずかしく思うこともあった。でもお前らがその大切さを教えてくれた」(Hiro)と鳴らし始めたのは“REVIVER”。その心に宿った新しい意志を、疾走感溢れるサウンドに託していく。

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すべての曲を演奏し終えたあと、Hiroがポロッと「やっとみんなに会えた気がする」と呟いていたのも印象的だった。この日集まったオーディエンスもおそらく同じことを感じていたことだろう。なぜなら、すべてを曝け出すようなバンドの演奏を目撃することができたのだから。Hiro曰く、「(横アリでは)今日よりもっともっとすごいものを、これまでの僕らでは見せられなかったものを提供するつもりです。ぜひその目に焼き付けてください」とのこと。鍛錬の旅の果てに生まれるその景色を、楽しみに待っていたい。(蜂須賀ちなみ)

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