ということで岸田も気にしてたけど最近の若い男の子はちゃんとデラべっぴん見てるんだろうか。なにはともあれ、くるりと、9mm Parabellum Bulletと、MASS OF THE FERMENTING DREGSの対バンライブである。まずはMASS OF THE FERMENTING DREGS、略してマスドレ。女子ヴォーカル/ベースand女子ギターand男子ドラムの轟音・でもポップなトリオ。ipodでアルバムはしょっちゅう聴いているけどライブは初めて。ラッキー。というかマスドレと9mmとくるりの対バンってこと自体がラッキー。最近こういうラッキーな対バンものに行くと必ずそこに9mmが出てる。9mmが出てるからラッキーなのか、ラッキーなとこに必ず奴らが出てるのか、もうわかんないぐらい必ず出てる。それはいいとして、マスドレは思い描いていた通りのイメージだった。ものすごく楽しそうに轟音を鳴らすバンド。ものすごく自然にポップなメロとハーモニーを放つバンド。体と脳みそにいいノイズ。さほどテクはないが、一人でバンド1個分ぐらいのグルーヴとアンサンブルを放出するベースの宮本菜津子はなかなかの存在。これからが超楽しみ。続いては9mm。特別な気負いなしでいつものカオスを叩きつけて去っていくかと思いきや、なんとこの日リリースとなったシングル“supernova/wanderland”の3曲を連続で演奏。気合入ってんじゃん。“supernova”では卓郎と滝が向き合ってユニゾンでツインリード・ギター。アピールしてんじゃん。1時間に及ぶステージで、事態はほとんど9mmのワンマンライブ状態。くるりの客も前半分は巻き込まれ、後ろ半分は圧倒されていた。凄いわ、9mm。9mmは凄い。だが、この日、ある意味もっととんでもなく凄かったのがくるりである。サトちゃんの前髪と白パン+ブーツも凄かったのだが、そんなことではなくて、くるり、大きく変わっていたのである。まずメンバーは岸田、佐藤+エディこと三柴理(ピアノ)、ボボこと堀川寛之(ドラム)の4人。筋少でのエディのクレージーなプレイ、54-71でのボボの筋肉質なプレイは広く知られているが、これが岸田、佐藤のプレイに大きく影響し(たとしか思えない)、くるりとしてのグルーヴとアンサンブルが半年前とは一変しているのだ。一言で言えば、暴走モード。例えば、この日は新曲を3曲披露したのだが、そのうちの1曲”京都の大学生(仮)“は、くるりとは思えない昭和ジャズ歌謡みたいな曲で、それを岸田は歌詞カード片手にハンドマイクで歌うのである。他の曲でもメガネが飛びまくってフレットが見えなくてギターを弾かないまま歌いまくり、スラヴ民謡だかなんだかようわからん歌をめちゃくちゃな歌詞で歌いまくり、なんだかもうタガが外れているのだ。これはクラシック・モードの反動か?
次へ向けての爆発か? マスドレと9mmに焚きつけられたのか?
エディのインテリ・クレイジーなピアノとボボの体育会系的なドラミングに導かれたのか?トイレで会ったジュンジも目が「?」になってたほど、この日の岸田は暴走気味だった。僕はたぶん、さらに音楽探求をしている過程において何らかの根源的エネルギーに触れつつある岸田の素直な生体反応と見ているのだが。面白いライブだった。(山崎洋一郎)
くるり @ Zepp Tokyo
2008.05.21 00:00