で。僕がモンパチのライブを観るたびに「ここがいいんだよなあ」と思うとこを、何度目かのMCで、清作(vo&b)がまさにそのまま言ったので、引用します。
「言っておきますけど、テンションが低いわけじゃありません」
で、「僕らのテンション、120%です」と続けた。フロア、ドッと笑っていたので、みんな、そういう共通認識を持っているんだと思う。
そうなのだ。テンション低いのだ。というか、低そうに見えるのだ。ライブを観たことのある方はうなずいてくれると思うが、清作も、ギターの儀間崇も、「感情をこめる」ということとは無縁な、普通にしゃべる時に極めて近い、無機質な歌い方でしょ。アクションも、せいぜい拳を振り上げるくらいで、ステージをだーって走ったりとか、ブレイクに合わせてジャンプしたりとか、絶対しないでしょ。ドラムの高里悟も、あんなに超高速ビートを叩きながら(逆に、だからかもしれないが)、ほとんど手首しか動かさない、省エネな叩き方でしょ。いずれも、ああいう、メロディック・パンクをルーツに持つ、ファストでラウドなサウンド・プロダクトのバンドとしては、かなり珍しいと思う。
で、例えばそういう悟のような「動作最小限」なドラマーよりも、一発一発いちいち耳の後ろまでスティックを振り上げて叩く、「ムダなオーバーアクション山の如し」みたいな、ストレイテナーのナカヤマシンペイのようなドラマーの方が、本来僕は好きだ。だけど、モンパチの場合、そのテンションの低さが大ありなのだ、というか、だからこそいいのだ。
あの朴訥とした歌詞とメロディと音って(最新作はだいぶ朴訥としなくなってきたが)、ストレートすぎて、熱すぎたり、クサくなったり、押しつけがましくなったりする危険性がある。それを絶妙に回避し、リアルなものとして聴き手に届けることを可能にしているのが、モンパチの3人の、この「テンションの上がらなさ」「なんだかとても平熱さ」なんだと思う。
なんでそんなに平熱なのか。特別な、非日常な、突拍子もないことじゃなくて、普通の、あたりまえのことを、自分たちはやっているし、言っているし、伝えている。無意識に、そういうところがあるんじゃないかと思う。で、それは、ある意味とても特異だけど、とてもすばらしいことだとも思う。
あと、モンパチって、ステージで汗かかない。いや、かかなくはないけど、他のバンドに比べると全然少ない気がする。それも、このバンドの「平熱スタンス」の表れなのかなあ、とか考えていて、前にも「このバンド、汗かかないなあ」と思ったことがあったのを思い出した。
オレンジレンジです。単に、沖縄のバンドは暑さに慣れている、というだけかもしれません。
なお、10月3日(土)には地元沖縄の読谷村にて、初の自主開催イベント「What a Wonderful World!! 09」を開催。野外で、オールナイトで、RIP SLYME、Dragon Ash、マキシマム ザ ホルモン、サンボマスター、小田和正などなど豪華メンツが出演。清作曰く「海と空と芝生しかない場所」だそうです。楽しそう。
そして東京では、12月7日(月)に、初の日本武道館ワンマンをやるそうです。今さら大会場でやる、というのと、なのに武道館で平日にやる、というのが、なんかモンパチらしい。(兵庫慎司)